5月からのスロベニアオープン、クロアチアオープン、中国オープンにオーストリア卓球協会からの代表選手として出場している浜本由惟(木下グループ)。2016年世界選手権クアラルンプール大会での日本代表であり、メダリストでもある。
ワールドツアーのエントリーで事実を知ったという日本卓球協会は、6月1日の理事会で外国協会の選手の登録に関して協議した。
理事会の後の会見で、宮﨑義仁強化本部長は経緯を説明。協会は浜本所属の木下グループからの報告を受けており、浜本の母・楊子さんによると、日本代表での出場機会が厳しいので海外に出場機会を求め、数年前からオーストリアの中国人コーチからオファーを受けていて、それを今回受け入れたとのこと。5月9日の木下グループからの報告書では、本人は母の指示に従ってやっているが、今後、オーストリアへの帰化申請を進めるという。
21歳以下(浜本は現在20歳)の選手が所属の協会から移る場合は、世界イベントや大陸イベント、オリンピックには7年間は出場できないという規定がある。浜本が今後、最短でオーストリア代表として出場できる五輪は2028年大会となる。
この日の理事会で協議、確認されたのは、帰化申請を進め、居住地をオーストリアに移している浜本は「外国籍選手」としての扱いになること。全日本選手権は出場できないが、Tリーグ、全日本社会人選手権、全日本クラブ選手権などは出場できる。
5月18日付けでオーストリア卓球協会からの文章が日本卓球協会に届いており、浜本のオーストリア協会での登録申請が報告された。浜本はオーストリアのリンツのクラブにも所属しており、オーストリアリーグとTリーグでの参戦が予定されている。
宮﨑強化本部長は「アスリートとして五輪を目指す気持ちは理解できる。支援はできないが、教えた選手でもあるので、『浜ちゃん頑張れよ』と見守っていきたい」と語った。
浜本はスロベニアオープンでは3回戦で敗れ、ベスト16。続くクロアチアオープンでは1回戦で日本の小塩遥菜(JOCエリートアカデミー)に2-4で敗れた。中国オープンでは予選で敗れている。現在の世界ランキングは5月の時点で86位、最高位は2017年2月の16位だった。