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 「レスリングが2020年からの五輪競技からの除外候補になった」というニュースでホッと胸をなで下ろした卓球関係者は少なくない。
 以前から、一国(中国)がメダルを独占する卓球が五輪競技にふさわしいのかという議論がされてきたからだ。今回、近代五種、テコンドー、レスリングが五輪の中核競技からの除外対象となり、投票の結果、レスリングが除外候補になり、5月のIOC(国際オリンピック委員会)理事会にはかられる。

 IOCでは39の項目で、競技の適正の分析がされるが(詳しくは3月21日発売号の稲垣康介氏のコラムを参照)、卓球は二つのアドバンテージがある。それは各大陸での普及と国や地域の協会数が多いこと。そしてテレビでの視聴率(中国で圧倒的な視聴率を誇っているためと言われている)。しかし、常に除外対象に近い競技とも言われてきた。今回も、「卓球は上記の3競技の、次の対象グループだったらしい」ことを関係者はにおわせている。

 そして、現在、中国のメダル独占だけでなく、卓球競技が抱えている問題で一般的に公になっていないことに用具ドーピングと言えるブースター(補助剤)問題と、それに付随したフェアネス(平等性)と健康の問題がある。もし、これが浮上した場合、IOC委員に対しての心象が相当に悪くなることが十分に予想される。
 五輪憲章でうたわれている原則と照らし合わせても、このブースター問題はフェアネスと選手の健康という点で卓球関係者は危機意識を持つべきではないだろうか。
 卓球のルールで禁止されているブースターが一部の選手に使われることによりアンフェアな状況であること。それはまさにドーピングのように用具を増強し、相手をだます行為であること。加えて、オイル系のブースターが人体に有害な面を持つという報告がITTF(国際卓球連盟)に上がっていることを考えれば、上記の問題を早急に解決しなくては、卓球も明日は我が身、ではないだろうか。