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 今月末のワールドチームクラシックに出場する男子のスウェーデン。主力は33歳のルンクイストと30歳のイエレル、そして若手のK.カールソンとM.カールソン。スウェーデンの若手はルンクイストとイエレルという壁を越えていなくてはいけない。
 ルンクイストは97年から国際大会に出場し、世界ランキング最高位は2003年の19位、イエレルは2003年から国際大会に登場し、最高位は2010年の36位。この二人のベテランには引き継ぐべき重い荷物があった。それは偉大な先輩たちの功績だった。1962年にハンス・アルセアがヨーロッパチャンピオンになり、その後、世界ダブルス優勝を遂げ、シェル・ヨハンソン、そしてベンクソンが現れ、1973年に世界団体優勝を達成。その後も1989年に世界団体優勝とワルドナーのシングルス優勝、そしてパーソンの優勝、2000年の世界団体優勝と、スウェーデンは卓球界で王朝を維持してきた。
 そのベテランたちと若手で構成するスウェーデン男子は第7シードとして、3月31日にスタートするワールドチームクラシックに出場する。
●ITTFニュースより

 スウェーデンは脈々と世界の卓球史に名を刻んでいるNever Ending List(終わりなきメンバー)のチームだとITTFのWEBライター、イアン・マーシャル氏は綴っている。しかし、実際には2004年アテネ五輪のワルドナーの4位、2008年北京五輪のパーソンの4位あたりで「スウェーデン時代」は終わっている。
 スウェーデンリーグでプレーした日本選手によれば、「スウェーデン選手は練習をしない。練習時間が短い」と嘆く声が聞こえる。スウェーデン王朝衰退の理由は明らかだ。絶対的な練習量の不足だ。
 スウェーデンでも、卓球だけに集中する環境が乏しく、アルセア、ベンクソン、ワルドナー、パーソンの時代のようにプロフェッショナルとして厳しい環境はなく、勝つことへのハングリーさを失っている。子どもたちは憧れるスターを失い、卓球へのモチベーションが低いのだろう。
 卓球王国で発売中のDVD「スウェーデン時代」を見ても、当時の選手やスタッフのモチベーションの高さ、厳しい練習はやはり中国を倒すだけのものだった。オールドファンにとっては、スウェーデン復活を望む声はあとを絶たないが、現実は難しい。
  • ベテランのルンクイスト

  • ロンドン五輪にも出場したイエレル