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 4月3日から韓国・仁川で行われているITTFワールドツアー・韓国オープン。この大会では、中国卓球協会によって画期的な試みが行われている。男子ダブルスで、中国のトップ選手たちが韓国やフランスの選手たちと国際ペアを組んだのだ。そのペアの顔ぶれは以下のとおり。

★男子ダブルス出場ペア
マテネ/許シン(フランス/中国)
李尚洙/閻安(韓国/中国)
李廷佑/馬龍(韓国/中国)
徐賢徳/張継科(韓国/中国)
趙彦来/馬琳(韓国/中国)
鄭栄植/王皓(韓国/中国)

 マテネ/許シンは中・後陣での粘りがありそうだし、徐賢徳/張継科は両サイドを切る広角打法で相手ペアを圧倒しそう。これまで、チーム内でのペアリングで余った選手を他協会の選手と組ませることは普通に行われていたが、今回の中国選手のような、組織的な国際ペアのエントリーは、ワールドツアーの歴史に残る出来事と言えるだろう。

 この「国境を越えたダブルス」のイニシアチブを取ったのは中国卓球協会。近年、「一人勝ち」の状態が続く中国は、「養狼計画(ライバル育成計画)」と称して国内外での海外選手の強化・育成に取り組んでいる。今回の国際ペアもその一環と言える。中国男子チームの劉国梁監督は次のようにコメントしている。「韓国オープンが国際ペアの初めてのテストケース。我々はどの協会の選手ともペアを組むし、トップクラスの選手でなくても問題ない。すべての選手にチャンスを与えたいと思っている」。

 「上から目線」とも感じられる発言だが、中国の国際大会での上位独占は、中国にとってもリスクが大きい。「五輪の正式種目から除外」という最悪の事態を避けるため、中国卓球協会も様々な施策を打ち出している。
 組織的な国際ペアという試みが、どれほど効果があるかはまだ未知数。日本の卓球ファンにとっては、交流試合のエキシビションマッチならともかく、国際大会では「日本選手が中国選手とペアを組んだ試合より、日本選手のペアが中国ペアを倒す試合が見たい」というのが本音ではないだろうか。しかし、中国卓球協会の行動力には見習うべき点がありそうだ。