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 ドイツの男子1部ブンデスリーガのプレーオフ決勝が「ボルシア・デュッセルドルフ」の優勝で終わり、ヨーロッパの国内リーグは卓球シーズンの終了を迎えた。
 卓球王国WEBの欧州リポートでも各国の国内リーグやヨーロッパチャンピオンズリーグの結果報道をしてきたが、ヨーロッパの卓球リーグの形態を何回かに分けて説明したいと思う。
 これらの説明によって、今動き出している日本独自のプロリーグの狙い、そして違いがわかってくるはずだ。

 まず日本とヨーロッパの違いはたくさんあるが、「シーズン」という概念がヨーロッパにはある。これは学校のシステムと関係がある。多くのヨーロッパの国々では、8月末から学校の新学期が始まり、6月末で学期が終わり、7月と8月は長い夏季休暇となるために、スポーツシーズンもそれに沿っているのだ。つまり、新シーズンは8月末か9月にスタートし、4月末か5月までスポーツシーズンで、6、7、8月はシーズンオフ。
 シーズン中は毎週のように試合があるのはトップクラスでも下のレベルでも同じ。シーズンオフはあまり練習をせずに他のスポーツを楽しんだり、プライベートのための時間。7月末くらいから練習を開始するというのが一般的だ。

 だからシーズンというと「2013〜2014」というように年をまたがる。プロのシーズンで言えば、4月末くらいにグランドシリーズが終わり、プレーオフ(上位チーム同士の対戦)が始まり、ドイツリーグで言えば、5月末までに新シーズンのクラブ登録が締め切りとなる。
 9月にシーズンがスタートするというのは日本や他のアジアの国でもどうも馴染みがない。しかも、日本ではシーズンオフという概念がなく、1年中練習や試合をしているし、「休んだら怠け者。強くなりたければ休んだらダメ」という考え方が刷り込まれている。

 ヨーロッパで卓球リーグが盛んなのはやはりドイツだ。登録人口は70万人弱。日本は31万人だが、日本より競技人口が多いかと言えばそうではない。ドイツでは二重登録が認められ、試合に出るためには協会が登録が必須となっている。ところが、日本では基本的に二重登録は認められず、協会に登録しなくても町や市のオープン大会にも出場できる。日本ではよく定期的に練習や試合をする人は150万人とも200万人とも言われているので、競技人口と卓球市場としてはやはりドイツの2倍以上はありそうだ。
 業界でよく言われるのは「日本の卓球市場はヨーロッパ全体の市場に匹敵する」という話。おそらく卓球メーカーの売り上げベースで比較すると、あながち嘘ではない。それだけ日本の卓球市場が大きいのだ。

●写真提供:マンフレッド・シリング(ドイツ)
  • 今シーズン、優勝へ近づいたフルダ・マーバーツェル(ドイツ)の応援団

  • ブンデスリーガで優勝した名門ボルシア・デュッセルドルフ