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 日本の卓球界は世界の中でも特異な面を持っている。それは日本のスポーツ界共通のもので、「カテゴリー」だ。
 つまり、小学生までのスポーツは主体は学校ではなくクラブだ。それが中学生と高校になると「部活動」を呼ばれる学校スポーツになる。
 そして高校を卒業すると「大学スポーツ」に進むか、プロ、セミプロのように「企業スポーツ」に進む場合がある(特に女子が多い)。
 
 それぞれのカテゴリーでそれぞれの選手権が行われ、指導はたいていの場合、一貫していない。カテゴリーで所属が変わるとその選手への指導方法と指導体制は変わっていく。
 その一貫性のなさが日本の間の悩みだった。ところが、20年ほど前から中学・高校の一貫指導体制を学校スポーツの現場の人たちが始めた。先鞭をつけたのは、女子の四天王寺、仙台育英、男子の青森山田などのエリート校だ。それによってジュニア選手のレベルが一気にアップしたのも事実だ。

 しかし、基本的には日本のカテゴリーで分断される「ひずみ」は正されてはいない。
 ところが害だけでないのはカテゴリーなのだ。以前書いたように、中体連と言われる部活動は日本の卓球市場を大きく支えているのも事実だし、中学生や高校生が全国大会を目標に一生懸命練習をするのも価値のあるものだ。

 ただし、昔と違うのは、日本における企業スポーツや大学スポーツの形態が変化し、多様化していることだ。
 大学の体育会で頑張っていれば就職できた時代はとうに過ぎ、レギュラークラスでも就職は厳しく、一般学生のように「就活」をするのも当たり前になってきている。
 女子では大学に進まずに、企業スポーツやスポンサーのサポートによりプロ活動をしていく平野早矢香選手や石川佳純選手のような選手も増えている。

写真左:仙台育英での中・高校の6年間指導とミキハウスでの10年間のサポートを受けて活躍する平野早矢香選手
写真右:石川佳純選手も四天王寺での中・高校6年間指導と全農のバックアップ受けて、世界的な力をつけている