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この秋から国内でも本格的に発売が始まり、来年早々の全日本選手権からは使用されると言われているプラスチックボール。
卓球王国ではすでに5月発売の別冊「卓球グッズ」で紹介し、さらに8月発売号でも徹底取材をしている。

当初、各メーカーのボールの打ち比べという視点で試打をまとめようと考えていたが、方向転換した。ラバーのように、「これの打球感がいいからこのボールを使おう」とボールを変えたりする人がどれだけいるのかという疑問に行き着いたからだ。

地方では、大会の指定球というのはほぼ決まっている。良く聞かれるのは、東北地方ではニッタクのみが使用球、逆に関西ではTSPのみが大会の使用球というケースが多いと言われている。そうなると、それぞれのボールの特性が違っても選手は自ら選べないケースが多いことになる。

ということで、8月発売のプラスチックボール特集では、トップ選手に試打によりセルロイドとプラスチックの違いに焦点を当ててみる。
ラバー、ラケットの試打特集でもそうだが、試打には有益なコメントと、主観的でにわかに信じられないコメントというものがあることを前提で実は特集している。セルロイドとプラスチックボールに物理的な特性の違いは大きくないが、選手の感覚は微妙なものだ。

選手として一番気になるのは、「プラスチックボールで用具はどう変わるのか」という点だろう。ボールメーカーとしても「プラボールはセルロイドに限りなく近づいた」と言う一方で、「プラボール対応の用具に変えるべきだ」という矛盾するマーケティングをしなければいけない。
実際には、プラボール試打でも「セルロイドと遜色ない。これなら今の用具でも大丈夫」と言う人もいれば、「回転量がやや落ちるし、飛んでこないのだが、強打した時には逆にボールが伸びる。用具は変えないと難しいかも」とコメントする選手もいる。
微細な部分に入り込み、用具をあれやこれやと変えてみる選手たち。
選手の声には真摯に耳を傾けよう、という面と、先入観の入った選手のコメントほど当てにならないものはない、という側面もある。これもまた卓球の重要な部分であり、楽しみの部分とも言えるのだろう。