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 すでにネット等で報道されているが、19日に発表された世界選手権蘇州大会の日本代表女子ダブルスで平野早矢香(ミキハウス)・石川佳純(全農)組が外れたことを受け、 ミキハウスが木村皓一社長名で日本卓球協会に対し、今週末か来週初めに抗議文を提出することを明らかにした。
 直近数試合の国際大会での成績で平野・石川組が上回っていること、発表直前の全日本選手権大会にエントリーしていない福原愛(ANA)・若宮三紗子(日本生命)組が選ばれた理由(国際大会での両ペアの比較)などに納得できない旨や、選手選考の透明化を求める内容になる予定だ。

 女子ダブルスでは協会は福原愛・若宮三紗子組、平野美宇・伊藤美誠組を代表としたが、直前に行われた全日本選手権で2連覇した平野・石川組が代表からもれたことが当初から疑問視されていた。
 上記の3ペアの成績は、第三者的に見ても正直甲乙つけがたいほどだ。卓球は陸上や水泳のような記録競技ではなく、対人競技で得手不得手の部分も考慮されるので余計に難しくなる。
 ただし、福原・若宮組が全日本選手権にエントリーしようとするならば強化本部が推薦するしかなかった。なぜなら、全日本においてダブルスは原則、同じ加盟団体によるペアとなるため、東京の福原と大阪の若宮は組めない(去年まで若宮は藤井寛子と組んでいた)。ただし、平野美宇・伊藤美誠組は強化本部推薦で出場し、すでに前年度の成績で推薦を受けている平野・石川組は違う加盟団体でも出場している。いずれにしても、強化本部が福原・若宮組を推薦する方法もあったのだ。
 ミキハウス側としては、直前の全日本選手権を回避したように見えたペアが代表に選ばれるのはいかがなものかという主張だ。昨日、ネットで報道されてからミキハウスの広報は電話が鳴りっぱなしの状態になっている。一般マスコミが興味本位での報道や、今回の代表選考の本質的な部分から離れた取り上げ方にならないことを祈るばかりだ。

 根本的な問題のひとつは代表発表のタイミングにある。
 3ペアはどの組が選ばれてもおかしくないほどの成績をあげている。もちろん選手サイドや母体サイドからすれば、自分たちが選ばれるはずだという自信や思いはある。しかし、最終的には、国際競争力という観点で監督の裁量にゆだねられる。
 日本代表発表が全日本選手権終了の翌日だったために、選手もマスコミも「当然、全日本選手権の成績が反映されるのだろう」というとらえ方をするのも当然だ。
 強化本部が福原・若宮組を選ぶという決定を事前にしていたのであれば、12月の理事会にかけ、事前発表するやり方もあっただろう。もしくは、3ペアを2月のクエートオープン、カタールオープンまで競わせ、その後の世界選手権エントリー(2月末)ぎりぎりのタイミングで発表するやり方もあったはずだ。(今野)
  • 福原愛・若宮三紗子組

  • 平野美宇・伊藤美誠組

  • 平野早矢香・石川佳純組