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 3月18〜22日に行われたITTFワールドツアーのスーパーシリーズ、ドイツオープン。女子シングルスで、伊藤美誠(スターツSC)がワールドツアー初優勝を飾った。

 女子シングルス決勝トーナメントで平野早矢香(ミキハウス)と第1シードの石川佳純がP.ゾルヤ(ドイツ)に、福原愛(ANA)が杜凱琹(香港)に敗れるなど、日本女子の主力選手が波乱に見舞われる中、予選トーナメントから勝ち上がった第19シードの伊藤は、1回戦で世界8位のカットのハン・イン(ドイツ)にゲームカウント0ー3から大逆転勝ち。続く2回戦でも、世界24位の右ペン表速攻型、シャン・シャオナ(ドイツ)に対してスーパープレーを連発し、ゲームオールジュースで撃破。ここから完全に勢いに乗った。
 準々決勝ではパワーヒッターの車暁曦(中国)、さらに準決勝では世界4位の馮天薇(シンガポール)に驚異のストレート勝ち。非常に打球点の早い前陣フォアブロックで振り回したかと思えば、バック表ソフトの電光石火の強打で打ち抜く。アジアカップを制したばかりの馮天薇があきらめの表情を浮かべるほど、完璧なプレーだった。

 迎えた決勝の相手は、今月行われたばかりのドイツ選手権を制したP.ゾルヤ。左腕から非常に回転量の多い両ハンドドライブを繰り出し、伊藤を大いに苦しめたが、伊藤は要所で下回転系サービスでエースを奪い、長いラリーでも辛抱強く守り、そして攻めた。地元観衆の大声援がP.ゾルヤに集まる中、接戦を制して初の栄冠に輝いた。14歳152日での優勝は、03年ジャパンオープン優勝の郭躍(中国)の15歳66日を更新し、ワールドツアー(プロツアー含む)史上最年少での優勝。

 この後行われるスペインオープンの結果も関わってくるが、大会前に38位だった伊藤のランキングは、この優勝により10位台まで上がる可能性が高く、日本女子でランキングが3番目の平野早矢香を抜く可能性も十分にある。世界選手権蘇州大会でのドローへの影響が大きいだけでなく、リオ五輪代表を巡る争いも一気にヒートアップすることは間違いない。

 その他の種目では、男子シングルスで村松雄斗(JOCエリートアカデミー/帝京)が世界13位の唐鵬(香港)を、塩野真人(東京アート)が世界14位の方博(中国)を破るなど、日本勢が活躍を見せたが、ベスト8に進出したのは水谷隼(beacon.LAB)のみ。その水谷も準々決勝で閻安(中国)に敗れた。
 また、女子ダブルスで福原愛/若宮三紗子(ANA/日本生命)が3位、U-21男子シングルスで三部航平(青森山田高)が3位、U-21女子シングルスで早田ひな(石田卓球クラブ)が準優勝、平野美宇(JOCエリートアカデミー)が3位となっている。U-21では伊藤美誠は早田にゲームオールで敗れており、女子中学生の「黄金世代」のバトルからも目が離せない。
  • 写真提供:松﨑太佑氏(昇陽中)