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 今月の19日の日本卓球協会理事会で決定すると言われている、来年1月の全日本選手権の使用球問題。
 夏のインターハイでも全日本選手権と同様に公認球の中から選手がジャンケンで選ぶというやり方で、多くの選手が戸惑った。それはそれぞれのメーカーのボールの質と言うよりも、ボールの打球感や弾みの違いがメーカー間で大きすぎるからだ。
 男子学校対抗とシングルスで優勝した三部航平は「次の全日本はどうなるかわからないけど、大会ごとにボールを統一して欲しい」と、9月19日発売の卓球王国インタビューで語っている。
 
 選手にとってプラスチックボールになってからの使用球の選択は、予想以上に切実な問題となっている。しかし、一番の問題なのは、このような重要な案件を決める日本卓球協会の理事会のメンバーが、このボールの重要性を知らずに、また選手の声に耳に傾けずに「使用球の問題を処理」をしてしまうことだろう。
 建前としては、「プレーヤーズ・ファースト」(選手優先)という言葉を協会の上層部の方々は口にする。この使用球問題はまさに「選手優先」で考えて欲しい。

 前回の全日本選手権大会で3位に入り、世界選手権で7個のメダルを獲得している岸川聖也選手のコメントを紹介する。
「日本は世界3位の国でこれから優勝を狙おうとしているのに、その国内最大で、選手選考も兼ねている全日本選手権で複数のボールで試合をするというのはあり得ない話です。ボールの規格変更など、ルールなども変わっているのだから、全日本のボール選択のルールも変えるべきではないでしょうか。
 選手が必死に勝ちに行く全日本という舞台で、選手がコートに入るまでどのボールで試合をするのかわからないという状況は考えられません。選手が良いプレーをするということが一番大事なことではないでしょうか」  

 すでに全日本選手権大会の予選は各都道府県で始まっている。予選では使用球の問題は起こらないと想像する。なぜなら、各加盟団体は事前に予選の時の使用球を決めているからだ。だから、地方の役員はこの使用球の記事を読んでもピンとこないかもしれない。
 しかし、インターハイでもそうだったように、全日本選手権では使用球の選択が選手を悩ますことになる。「入札方式」のようにお金がからむやり方を回避したいのであれば、それもいいだろう。いずれにしても選手のことを考えて、「使用球は一つ」にしてほしい。  (今野)

  • 全日本選手権での岸川聖也選手