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 昨日の日本卓球協会の理事会で、前原正浩専務理事から(本人はITTFの執行会議で欠席)、全日本選手権での使用球を1種類にする提案が出されたが、否決された。
 プラスチックボールはメーカーごとに弾みや飛び方のバラツキがあり、前回の全日本選手権でも選手は順応するのに苦労した。またボールを決める試合前の選球さえも戦術の一つにされるような「異常な」事態になっていた。
 水谷隼選手を代表するNT選手や、アスリート委員会からも「全日本選手権は1種類のボールにしてもらわないとよいパフォーマンスができない」という声が専務理事の元には届けられていた。

 しかし、公認球として各メーカーに公認を与え、公認料を得ている協会はメーカーに配慮する形で決着をつけた。

 常々、「選手優先(プレイヤーズ・ファースト)」と言っている日本卓球協会は、選手を考慮しない、選手の声を無視する形を取った。
 この理事会のメンバーの人たちは実際に複数のプラスチックボールを打ったことがあるのだろうか。選手が苦しんでいることに耳を傾けたのだろうか。大いに疑問だ。これでは民意が反映されない、お役所の決定のようなものだ。
 理事会は誰のために行っているのか、理事のメンバーはどこを向いているのか。

 入札方式がだめなら、ボールを安定供給できるメーカーによる公正な抽選で1社に決めることもできただろう。会議後に、「これでずっとやるという意味ではなく、このボールの件は引き続き検討していきます」と前原専務理事の代理として星野強化部長がコメントしたが、前回あれだけ不評だったボール問題が1年をかけても解決できない理事会に、選手たちは何を期待したらよいのだろうか。  (今野)