2月22日、東京・北区の味の素ナショナルトレーニングセンターで、男女ナショナルチームによる世界選手権に向けた事前合宿が報道陣に公開された。
すでに合宿をスタートして2週間になる男子チームは、選手たちもかなり疲労がたまっていたというが、この土日を休養に充て、どの選手も動きにキレがあった。エース水谷隼の表情は明るく、若手の吉村真晴や大島祐哉は「練習が楽しくてしかたない」という感じ。吉村と大島は、休みだった昨日の午後にもふたりで練習したという。
「これからさらに練習量を落として、スッキリした状態でクアラルンプールに入りたい。予選リーグで一番考えているのは、初戦のベラルーシ戦と、最終戦のポルトガル戦です。初戦の入り方が非常に大切だし、そこからチームの流れができてくる。ベラルーシ戦でサムソノフを破って、3−0でしっかり勝って、グループリーグ最終戦のポルトガル戦まで持っていきたい。そこを乗り越えれば、かなり良い色のメダルが期待できる」(倉嶋洋介監督)。
「合宿で大島や丹羽など、みんなとひと通り練習しましたが、気合いが入っていて、他のメンバーにも期待しています。リオでは吉村が勝ってくれないと日本は勝てない。3番手では全勝してもらわないと困りますね」(水谷隼)。
日本女子チームは2月19日に合宿に入り、例年よりも短い合宿を経て現地に入るが、予選リーグ最大のヤマ場となる北朝鮮戦を想定。カットのリ・ミョンスンとキム・ソンイ、左シェークドライブ型のリ・ミギョンに備え、福原、石川、伊藤の3人はカット型や左シェーク攻撃型の選手と練習を積んでいた。
「リーグ戦第3戦の北朝鮮戦が最大のヤマです。そこに勝つか負けるかで、メダルへの確率、中国と決勝で当たるかどうかというトーナメントの位置が変わってくる。この合宿に入る前は4対6で厳しいかなあと思っていたけど、この合宿で5対5くらいにはなってきたかな。少しずつ良いムードになってきた。初日の28日に2試合あるので、役割分担をして第3戦の北朝鮮にベストで臨めるようにしたい。
今夜は結団焼肉パーティーです。縁起が良いんですよ、焼肉を食べるとメダルをゲットしていますから。浜本の表情がちょっと硬いけど(笑)、今日を境になごむんじゃないですか」(村上恭和監督)。
「体調は良いです。世界選手権に向けて調整できてます。サービス・レシーブからの攻めだったり、自分から先手を取って攻めていくプレーを意識してきた。練習も緊張感があっていいですね。いつも海外を回っているチームメイトたちなので、すごく良い雰囲気です。
(2年前を振り返ると)日本開催ですし、福原さんも初めて団体戦でいなかったし、予選リーグで負けるわけにはいかなかった。前々回でメダルを逃した悔しさもすごくあった。プレッシャーというか、絶対にメダルという気持ちがあったけど、今回は楽しみですね」(石川佳純)
日本チームは2月25日に日本を出発し、現地に入る。クアラルンプールの気温は30度を超え、冷房の効いた体育館内でのプレーは体調管理の難しさもあるが、ぜひ日本中を沸かせる好成績を残してほしい。