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 日本卓球協会の中で「新リーグ」を語るべきことは何だろうか。
 それは細かな手続きのことなのだろうか、失敗したらどうするのかというネガティブ議論なのだろうか。
 誰が、明るい卓球界の将来を語ってくれるのだろうか。それは会長なのか、専務理事なのか、地方の理事の方たちなのだろうか・・・。将来を語らない理事会こそが危機そのものである。

 現在の卓球には、サッカーがJリーグを作った頃のようなマイナス要因がない。世界選手権でも2000年以降徐々に成績を上げていった。有望な若手も出現してきた。現場の指導者には、「今日本はうまくいっているのだから新リーグなどで変える必要はない。ましてやトップ選手のスケジュールはきつすぎて、試合を組めないのでは」という見方もある。
 
 サッカーのJリーグを創設させる時に危機感を抱いたサッカー日本リーグの関係者が中心となったが、卓球はそうではないことだ。逆に、傍目には日本リーグは新リーグに反対しているようにも見えてしまう(実際にはそうではないと思うが)。
 新リーグができたら、日本リーグの存在意義が問われてしまうし、日本リーグから離れて新リーグに参戦して、日本リーグが将来無くなってしまうことを危惧しているのかもしれない。
 新リーグの準備室と日本リーグ側の話は遅々と進んでいない。それなら別々の組織としてスタートさせるしかないだろう。時間は待ってくれないのだ。それぞれが卓球界の中でリーグ活性化のためにアイデアを出せばいいのだろう。
 日本リーグを取り込むための新リーグでもないし、一緒にやらなければスタートできない性質のものでもないからだ。これ以上、無駄な時間を費やす必要性はない。

 協会関係者、そして我々専門メディアも、1年後や2年後、ましてや東京五輪までだけを語るべきではない。今の子どもたちが大人になった時、これから卓球を始める子どもたちのために10年後、20年後、30年後の日本で、卓球がさらにメジャーなスポーツとなっていくことが語るべき構想ではないのか。

 リオ五輪で卓球が大いに注目され、今のタイミングを逃すのは愚かではあるが、かと言って、この新リーグは1年、2年のブームで終わらせるものではない。東京五輪が終わっても、その後、10年、20年、と継続させていく、日本卓球界の裾野を広げるためのプロジェクトなのだ。  (今野)