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「一般社団法人Tリーグ」設立の会見での星野氏、松下氏とのメディアとの質疑応答は以下の通りだ。

Q シーズンは?
松下 1シーズン目は2018年の9月か10月にスタートして、翌年の4月まで。中国の超級リーグは世界選手権の後なので、それをはずして9月か10月に始めて、世界ランキングでトップ10に入るような中国選手をリーグに招聘したい。試合方式は案として、世界選手権方式か五輪方式で3人で戦うものを考えています。

Q トップ選手には声掛けをしているのですか? それと実業団リーグ(日本リーグ)の反応はどうでしょう?
松下 すでに声をかけている選手もいます。こちらも具体的に徐々に固まってきているので声をさらにかけていきたい。日本リーグに対しては、現在はよい方向に進んでいると思います。日本リーグ関係者もすべての会議に参加していただいている。プロ・アマ関係のない組織なので門戸を開いています。日本リーグの企業チームにもT1かT2に参加していただける形を協議しています。

星野 日本リーグの理事会が6月にあるので、そこで話し合いをすると聞いています。今の段階では参加するかどうか決まっていないと思います。

Q 今あえてTリーグを立ち上げるメリットとは何ですか?
松下 短期的には2020年(東京五輪)ですけど、長期的な卓球界を考えてTリーグを立ち上げます。Tリーグで育った選手がナショナルチームで活躍してほしい。低年齢層の選手を育てて、レベルを上げていく。世界の2番ではなく、1番を狙うための事業になると思っています。
 今海外に出て行く選手が多い。日本の中でそれだけの練習環境やお金を稼げる場がない。しっかりとした環境の中で卓球をすることで層を厚くしたい。国内に強いリーグがあれば海外に行く必要はない。海外との往復をする時間のロスも防ぎたい。
 T1であれば選手はクラブを拠点にしてNT合宿以外ではそこで練習できるし、海外の選手は試合の時だけ来るケースもあるかもしれないし、ある程度日本に滞在してプレーする選手もいると思う。

星野 1980年代からホープスの全国大会が始まりましたが、88年の五輪に卓球が参加した当初から、ホープスのチャンピオンが五輪代表になれない状況があった。協会として2000年前後から文部省が掲げた一貫指導カリキュラムやJOCが掲げていたゴールドプランと呼ばれる、指導者の養成や一貫指導のプログラムを活用してきましたが、もっと地域で盛り上げる、地域を発展させていくための仕組みを作りたい。その一端がこのTリーグになると思います。
 リーグとして海外の選手を招聘することも考えています。プロ的な興行と地域貢献、卓球の振興の両方を実現させるのがTリーグ構想です。

Q 日本リーグ(実業団)がもし参入する場合はTリーグに吸収される形になるのでしょうか?
星野 日本リーグが段階的にTリーグに入ると考えるのか、部分的に入ると考えるのか、あるいは18年にスタートする様子を見てから参戦するのか、いくつかのパターンがあって、現時点では日本リーグの主体性を見守りたいと思っています。

Q Tリーグ構想を発表してから、どういう反応ですか?
松下 12月の理事会での発表後に全国各地で前向きな反応をいただいています。子どもたちに夢を与えることができますから。また、いくつかの企業でも興味を持っていただけています。反響はあったと思います。もちろん心配している声も聞こえていますが、それも応援の裏返しだと思っています。これからTリーグに必要な人材を雇用して事業をすすめていきたい。

Q 予算規模はどうですか?
松下 選手は6名ほどで、それに監督とコーチ。スタッフも入れ、トップ選手への報酬や人件費、試合の運営費など諸々の経費を含めた運営の予算規模は2億円です。すでに始まっているBリーグが参考になっています。

Q このTリーグの法人自体の予算は?
星野 今年はリーグは立ち上がらないので、初年度の活動は卓球協会が予算を組んで支援する形です。

松下 本来はクラブが自立して運営したり、スポンサーを集めなければいけないが、開幕まで1年と少ししかないので、リーグが主体となってスポンサーを集めることや世界のトップ選手に声をかけることをやらなければいけないかもしれない。シングルエンティティ(単一事業体)と呼ばれるリーグ主導の形を取り入れながら、分配していく方法を考えています。
 仮に男女4チームずつだと合計8チームでそれぞれが2億円から2.5億円なので合計で16億円以上になって、リーグ自体の活動費が2億円から2.5億円なので18億円から20億円ほどの事業になる。そのお金をクラブとリーグが協力し合って作っていかないといけない。

* シングルエンティティ (single entity)=リーグ機構とチームを実質的にひとつの会社とし、そしてリーグに所属するチームを各部署とみなす運営方法。そのため、社員が部署ではなく会社と契約するのと同じように、選手はチームではなくリーグ機構と契約する。日本においては、bjリーグや大相撲が実質的にシングルエンティティを形成している

*Tリーグ構想の詳細は卓球王国5月号(最新号)でも特集しています


  • 松下浩二理事

  • 星野一朗理事