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 本日、6月30日、T2(T2 ASIA-PACIFIC TABLE TENNIS LEAGUE)の1回目のマッチ・セッションが無事に終了した。
 新しい試みとしての卓球イベント。そこにつぎ込まれたのは巨額の運営資金と新ルールだった。トータルで選手への報奨金を含めれば、運営資金は数億円ほどかかるだろう。メインスポンサーはシンガポールなどで海運業を営む「seamaster(シーマスター)」。今シーズンからワールドツアーなどの冠スポンサーにもなっている。CEO(最高経営責任者)はフランク・ジー(Frank Ji・中国名 季文元)。マレーシア・ジョホールバルの「パインウッド スタジオ」を2年間貸し切り、年6回のマッチ・セッションと、12月のプレーオフがある。プレーオフでは上位2チームが決勝を行い、シングルスの成績上位4名で個人戦も行われ、高額賞金が用意されている。 

 試合方式は男女混成6人ずつの4チーム(男女が総勢12人ずつ)で、1大会で4チームがリーグ戦方式で総当たり。男女が交互に出場し、1試合は24分の時間制限付き。
 世界のトップ選手全員とはいかないが、水谷、オフチャロフ、ボル、丁寧(今回スポット参戦)などを集めた。
 
 ベンチには友好ムードが漂うが、選手たちは真剣そのものだ。男女混成の団体戦方式で選手たちは試合を捨てることは一切なかったし、時間制限なので、最後までゲームを奪いに行く。0-3とゲームをリードされても、リードされているほうが最後の4ゲームを奪いに行くし、そこで取って1−3にして終わると、まるでその試合で勝ったような雰囲気になるのも興味深い。
 ボールボーイがついているので試合のテンポは心地よい。通常の試合では選手はゆったりとボールを拾いに行き、観る人は間延びするものだ。このT2ではテンポが良いから観る人は飽きない。ボールを多数使うことが選手へ影響を与えるかと思いきや、選手は慣れてしまうと全く問題なく順応している。

 試合の緊張感を高めているのは制限時間のせいだけではない。
 まずはジュースがないことだ。10-10になったら次がファイナルポイントになる。緊張感は一気に高まる。
 また22分を超えて、新しいゲームに入る時の「KILL ZONE」は5本先取で、選手はスタートダッシュをかける。

 正直に、そして端的に言おう。
 T2は卓球を変えるかもしれない。T2の関係者はビジネスマンであり、卓球を愛している人たちだ。そのコンセプトは「卓球がもし商品だとするならば、お客様(ファン)にとって、買いたくなるような素晴らしいものにする」。
 卓球をDO(やる)スポーツではなく、観るスポーツに変えようとしている。それがT2なのだ。  (今野)
  • T2の試合が行われる「パインウッド・スタジオ」の外観

  • T2の試合方式がそうさせるのか、早くもチームの団結力が生まれている

  • 水谷とボルの試合は2-2になり、5ゲーム目はキルゾーンで水谷が勝利

  • 荘智淵は今日の試合で5ゲームを奪う活躍を見せ、チームの逆転勝ちを呼び起こした