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 3月30日、東京・NTC(味の素ナショナルトレーニングセンター)で、平野美宇選手(JOCエリートアカデミー:以下EA/大原学園)が記者会見を行い、この3月でEAを修了。4月からはプロ選手として活動し、2020年東京五輪を目指していくことを明らかにした。4月からは父・光正さんとともにNTCの近くに住み、NTCを練習拠点としながら、自分自身で練習計画を組んでいく。所属先については、メインスポンサーである日本生命を軸に調整中だ。

 「これから私の目標である東京五輪出場と金メダル獲得を目指すうえで、どうすればいいかを考えた時に、選手としても人間としても、もっと強くならなければならないと考え、この決断をさせていただきました。このタイミングでの決断を受け止めてくださった協会の方々に感謝の気持ちでいっぱいです。」と会見で語った平野。昨年は前半でアジア選手権優勝、世界選手権3位などの快挙を成し遂げる一方、後半は国際大会でもなかなか成績が出せず、その中で「もっと自分で責任を持って試合に臨みたいと思った」ことが、今回の決断のきっかけとなった。

 会見に際して、JOC(日本オリンピック委員会)執行部のナショナルトレーニングセンター委員長も務める、日本卓球協会の星野一朗専務理事からは、JOCエリートアカデミーの修了証が授与された。
 「通常、EAは高校3年生での修了が通例ですが、平野選手は昨年アジアチャンピオンになり、世界3位のメダルを獲った。今後、東京五輪へ向けてシフトしていくということで、JOCとしても彼女の修了を祝福し、認めていきたい」(星野専務理事)。

 会見に同席した日本卓球協会の宮崎義仁・強化本部長は「練習環境については、NTCを十分に活用してもらいたい。練習環境は自由に選ぶことができますが、NTCの練習に参加する際には最大限のサポートをしますし、栄養的にすぐれた『SAKURA Dining』(NTCの選手専用食堂)の食事も提供する。環境は責任を持って整えていきます」と、今後も平野をサポートしていくことを明言。日本女子チームのチームメイトがプロ的な環境で練習に打ち込む中、平野選手もEAを1年早く修了することで、EAの様々なプログラムや練習時間の制約を受けない環境を作り、国際競争力を高めていく。

 2020年東京五輪の出場権を巡るレースは、これからさらに激しさを増していく。それに先駆け、プロ選手として自立の道を選び、その第一歩を踏み出そうとしている平野選手。4月6〜8日のアジアカップに続き、4月29日〜5月6日には初出場となる世界選手権団体戦も控えている。世界の卓球界が注目する「ハリケーン・ヒラノ」の、さらなる活躍を期待したい。
  • 「もっと自己管理ができるようになりたい」と語った平野選手

  • 宮崎義仁・強化本部長は、今後も平野選手をサポートしていくと語った

  • 星野一朗・専務理事から修了証が授与された