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 第52回全日本社会人選手権は大会最終日を迎え、男子シングルスは丹羽孝希(スヴェンソン)、女子シングルスは平侑里香(サンリツ)がともに初優勝を飾った。

 男子チャンピオンの丹羽は準々決勝で神(シチズン時計)、準決勝で大矢(東京アート)をともに4−1で撃破。準決勝で高木和(東京アート)をストレートで破った町と決勝で相まみえた。

 同い年の丹羽と町、青森山田中・高、そして明治大と常にチームメイトだったふたり。他の選手が反応するだけで精一杯の丹羽の速攻にも、町はよく両ハンドで対応。バックストレートへのロングサービスを有効に使って、フォア前をチキータで狙う丹羽の足を止め、決定打のフォアドライブはフォアストレートに打ち抜く。ゲームカウント3−2と町が優勝に王手をかけたが、丹羽も最後まで攻めの手を緩めず、中陣に下げられても我慢強く打ち続けた。結果はゲームオール11−9で丹羽に軍配が上がったが、国内では最高レベルの素晴らしい一戦だった。

 昨年準優勝だった全日本社会人を制し、「ぼくはすべてのカテゴリーで優勝したい」と大会出場へのモチベーションを語った丹羽。これから国際大会、そしてTリーグでもさらなる活躍が期待される。町も敗れたとはいえ、5回戦の池田(リコー)戦で最終ゲーム8−10の大ピンチを切り抜けてから、会心のプレーを見せてくれた。

 女子シングルス優勝の平は、準決勝で森薗美月(木下グループ)、決勝で森薗美咲(日立化成)を連破。ともに「公式試合では勝ったことがない」というふたりを破っての優勝だ。

 平が「最大の武器」と語るのはサービス。フォアのアップダウンサービスとハイトスサービスを巧みに使い分け、非常に変化が激しい。バックの表ソフトの攻守も非常に安定しており、決勝での表ソフト同士のバック対バックのラリーでも崩れなかった。「大会前は決して調子が良くなかった。だから逆に普段なら打ちにいってしまう場面でも、我慢して戦えた」と優勝後のコメント。まさに無欲の優勝だった。男女シングルスの準々決勝以降の記録は下記のとおり。

●男子シングルス準々決勝
丹羽(スヴェンソン) −8、5、6、8、9 神(シチズン時計)
大矢(東京アート) 5、−6、4、7、5 濱川(個人)
高木和(東京アート) −6、−9、7、8、7、5 松平(協和発酵キリン)
町(シチズン時計) −8、5、−7、9、8、8 上村(シチズン時計)
●準決勝
丹羽孝希 −9、3、5、10、9 大矢英俊
町飛鳥 10、9、9、6 高木和卓
●決勝
丹羽孝希 −5、−7、8、8、−9、9、9 町飛鳥

●女子シングルス準々決勝
森薗(木下グループ) 9、9、7、−4、5 松澤(十六銀行)
平(サンリツ) 5、6、5、7 松平(日本ペイントホールディングス)
森薗(日立化成) −8、6、13、−9、2、−5、1 田中(豊田自動織機)
成本(中国電力) 8、4、5、7 高橋(十六銀行)
●準決勝
平侑里香 −4、7、7、8、−9、8 森薗美月
森薗美咲 9、−8、−10、4、9、−9、5 成本綾海
●決勝
平侑里香 6、7、−4、9、3 森薗美咲
  • 男子シングルス優勝の丹羽(左)と準優勝の町。決勝でのプレーは素晴らしかった

  • 最終日だけで4試合を戦い抜いた丹羽、集中力は最後まで途切れず

  • 圧巻の強さと安定感を見せた平。笑顔の初V

  • 森薗美咲は苦戦の連続をくぐり抜けて準優勝。まだまだ元気だ