スマホ版に
戻る

トピックス

トップニューストピックス
 ちまたではまだしっかりと認識されていない。
 卓球の新リーグ「Tリーグ」が10月24日・25日に東京の両国国技館で開幕する。
リーグ自体のプロモーション(宣伝)も少なく、現時点では知る人ぞ知るリーグになっている。
しかし、このTリーグは世界の卓球界では最高レベルのリーグになることは間違いない。初年度の今年、チーム数は男女各4チームずつ。決して多くはない。むしろ少なすぎかもしれない。それはリーグ側が参加条件のハードルを上げたからだ。

 世界的スポーツのサッカーは別にして、Tリーグ側は各チームに「世界ランキング10位以内の選手を入れる」という条件を提示し、チームの予算規模を2億円前後と示唆した。
 卓球界では、ブンデスリーガ、フランスリーグ、スウェーデンリーグ、ポーランドリーグと、ヨーロッパの各国には昔からの国内リーグがあり、1部リーグなどのトップリーグはそのほとんどがプロリーグであり、卓球を生業とした選手たちがプレーしている。そして、その下はピラミッド状に、地域リーグや市町村リーグのように裾野が広がっている組織になっている。
 ヨーロッパの卓球シーズン(他のスポーツも同じ)は8月から翌年の4月くらいで、シーズンを通して毎週のように試合が行われるのが一般的だ。

 一方、アジアでは中国の超級リーグ(スーパーリーグ)は選手のレベルや報酬では破格のプロリーグになっていて、4カ月がシーズンで、オリンピック金メダリストクラスの選手は、1億数千万円を手にすることができる。
 
 自らハードルを上げた理由を松下浩二・ Tリーグチェアマンは「ハードルを下げて、チーム数を増やすことはできた。でも、それで本当に魅力的な試合になるのでしょうか。ハードルを上げてでも、世界でトップのレベルの観客を魅了するリーグにしたかった」と語る。

いきなりブンデスリーガのチーム予算を超えていったTリーグ

 60年という歴史もあり、中国の超級リーグができるまでは「世界最高のプロリーグ」と言われたドイツのブンデスリーガでも、チームの運営予算は1億数千万円と言われている。特に地域密着型のドイツの卓球クラブではそれが標準だったのに、新しい日本のリーグはそれを超えていった。
 またTリーグは日本選手が中心となり、そこにアジアを中心にした世界のトップランカーたちが集う。現在、日本の卓球のレベルは世界的に見ても中国の次なので、必然的にTリーグは世界最高峰レベルになる。

 開幕を直前に控え、Tリーグの各チームも、Tリーグの事務局も上や下への大騒ぎ状態になっているが、果たして、、卓球ファンのみならず、卓球に関心を寄せる一般の人たちへこの新リーグはどれほどアピールできるのだろうか。
 卓球専門メディアの月刊誌「卓球王国」(21日発売)では「Tリーグ前夜」という特集を組み、その参加選手、試合日程、試合方式などを紹介している。 (今野)
  • 熱く語るTリーグの松下浩二チェアマン

  • Tリーグに参戦する五輪メダリストの水谷隼