●男子シングルス準決勝
張本智和 7、8、8、5 カルデラノ(ブラジル)
林高遠(中国) 5、9、6、10 水谷隼
●女子シングルス準決勝
陳夢(中国) −9、6、5、−5、11、3 朱雨玲(中国)
何卓佳(中国) −12、−9、17、4、6、5 丁寧(中国)
文字通りの殴り合いの試合を制したのは、張本智和・15歳。
「打ち合いになると不利だから、細かいコース取りを重視した」という張本。ブロックでしのぎ、相手を後ろに下げさせてから、上から叩く。カルデラノの強烈なチキータに対しても確実なブロックで返球してからラリーを展開し、あれよあれよのストレート勝ち。
「ずっと樊振東が来ると思っていたので、短い時間ですがしっかり準備して、良いイメージで臨めた。前回は自分から打ってカウンターをもらい、負けていたし、樊振東もまともに打ち合って負けていた。カルデラノは今大会で一番パワーがある選手だし、細かくコースをついていこうと思ってやりました。
自分は足があまり動かなかったけど、予測が良かったので、動かないなりに良い位置で打つことができた。明日はこれに加えて、足を動かしていきたい。やっとここまで来られたので、勢いに任せるのではなく、しっかり自分の実力で勝ちたい。ユース五輪も銀だったし、決勝はこの1年のすべてをぶつけたい」(張本)
もうひとつの準決勝では林高遠が水谷にストレートで勝利。
バック対バックの打球点、威力で林高遠が上回り、フォアカウンターも的確に打ってくる。水谷は下げられてから逆襲を狙うが、照明が気になるのか、台との距離感が合わない。「相手は前陣で早いから、そこで勝負は難しい。でも上から照らすような照明に水谷が慣れなくて、下がったときにミスが多かった」と邱建新コーチ。
「相手のバックハンドが速くて、サイドを抜かれる展開が多かった。いいレシーブをしても、さらにいいボールで返ってきた。全体を通して、良い内容がなかったですね。
でも手応えを感じました。今回、中国選手と3人試合をして、今までは中国ラバーに対してブロックになってしまったところをカウンターできたし、中国ラバーに対する球質の違いをあまり感じなかったのが良かった。中国ラバーに対するトラウマを感じなかったことは良かった」(水谷)。
女子はベスト4を中国が独占。その中で陳夢と何卓佳が決勝を争う。
今大会、陳夢の調子がかなり良い。フォアの強さとバックの固さはもちろん、切り替えが早くなっており、少しでも甘いボールをフォアに送ると、一撃のフルスイングで打ち込んでくる。以前は苦しくなると、フォアで強引に攻めていたが、競っても冷静に立ち回っている。例えるならば、パワー型劉詩雯のようなスタイルに進化している。
五輪に望みをつなぐために、陳夢はここで勝っておきたい。
その相手は丁寧を破った何卓佳だ。こちらも前陣での切り替えが抜群に早く、粒高でのハーフボレーは丁寧がネットミスをする場面もちらほら。
バックが固く、止めたり伸ばしたりなど多彩で、フォアはドライブと、スマッシュが打てるスタイル。同じ中国同士でもやりにくさが顕著に出ていた。
丁寧のフォアドライブを何本も押し返した何卓佳の粒高アタックに明日も注目したい。