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 卓球の女子シングルスでは来年の東京五輪の代表権をかけて熾烈な国内競争に入っている。
 4月に閉幕した世界選手権ブダペスト大会の女子ダブルスで、ミキハウス所属の佐藤瞳(世界ランキング14位)と橋本帆乃香(同23位)がメダルを獲得したが、この二人は休む間もなく、クロアチアオープン、タイオープンにも参戦し、来週の中国オープンにも出場する。

 佐藤と橋本にはメダル獲得の余韻に浸っている暇はない。
 ブダペスト大会では準決勝で、日本の伊藤美誠・早田ひな組と同士討ち。2ゲームを奪う健闘を見せたが、惜しくも敗れ、銅メダルに終わった。
 二人はダブルスに敗れ、すべての試合を終えていたが、 翌日の卓球王国のインタビューの前に練習場で汗を流していた。
 聞けば、海外遠征をしても休みの日はないと言う。
 インタビューでは二人はこう答えている。

●練習はしんどいと思うけど、なぜそこまでできるんだろう。
佐藤 私はスター選手じゃない。小さい頃から注目されてきたわけじゃないし、同じことをやっても近づくことはできるけど最後に勝てるところまではいかないと思っています。2020年東京五輪があるので、そこに向けて必死に頑張りたいからここまでやっています。
橋本 私は中学からミキハウスでやっているし、中学、高校から長い練習をしているので、やらないと不安になります。もともと素質があるほうじゃないので、練習をしないといけない。練習をして勝てなかった選手に勝てるようになったこともあるし、苦しさを乗り切ったら勝てるのがわかってきました。

 そんな二人はメダルを決めた瞬間に抱き合い喜びを分かち合った。「佐藤さんは号泣していて(笑)、私はメダルを決めた瞬間はポロッと来たけど、あとは乾いてました」と橋本は語る。

 世界の上位に行くと、守備主体のカットペアは勝ちにくいと言われる中で、佐藤と橋本のペアは輝きを放っていた。絶妙なコンビネーションを見せたペアリングを佐藤はこう語る。「二人は卓球の得意不得意が違います。私は切るカットが得意だけど、帆乃香はナックルカットで、攻撃も私はフォアの攻撃だけど、帆乃香はバックハンドとか」。
 一見同じように見えるカットスタイルでも、佐藤と橋本のプレーがうまく対比しながら、個性を発揮した。
 通常、卓球のトップ選手というのはダブルスの練習をしない。しかし、佐藤と橋本は普段のミキハウスの練習でもダブルスの練習をやると言う。シングルスでは経験したことのないボールをダブルスでは受けることができ、それが役に立つと語る。まさに日々の練習の努力が実ったメダルと言って良いだろう。
 日本人同士のシェークのカットペアでのメダル獲得は史上初めての快挙だった。

*インタビューは卓球王国最新号からの抜粋 
  • 世界的に強いカットペアは珍しくなってきた

  • メダルを決めた瞬間に泣き崩れた佐藤瞳と橋本帆乃香