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 今週、日本代表はこぞって東欧で開催されているチェコオープンに参戦している。この大会はITTF(国際卓球連盟)が主催するワールドツアーのひとつである。先週から開催されたブルガリアオープンといい、日本から選手・スタッフたちが大挙して押し寄せるのは、もちろん来年の東京五輪を見据えているからだ。
 
 卓球関係者は4年に一度、必ずこう思う。
「五輪の卓球の代表枠をもっと増やせないのか」
 卓球の一国の代表枠は、最大でシングルス2名と団体戦の1名の合計3名のみ(団体戦は3名が出場/東京からは混合ダブルスの種目が追加)。日本卓球協会に登録している男女358,600名(前年度より約1万人増加)、未登録の卓球愛好者を含めると約120万人ほどの卓球愛好者がいると推測されている日本からはわずか6名の選手しか五輪の舞台に立てない。
 競技人口を考えれば「超狭き門」だ。さらに狭いのはもちろん中国。中国卓球協会の劉国梁会長は以前に「民間の卓球愛好者は8300万人、さらに卓球学校や体育学校の選手が3万人、プロ選手が2000人いる」と発言している。つまり、中国は8300万人強の卓球選手の中から6名が選ばれる。

 世界の卓球界では中国と日本が突出して競技人口が多い。それ以外では登録人口55万人のドイツ、20万人のフランス、競技者は少ないが愛好者が多い韓国が約40万人と言われ、五輪のたびに卓球愛好者は柔道やレスリング、水泳などのように、種目別や体重別のメダルが設定されている競技をうらやましく思うのだ。

 さて、東京五輪の日本代表は来年(2020年)1月に発表されることが決まっている。シングルスの2名は世界ランキング上位2名が内定となり、団体戦用の3人目は日本卓球協会が推薦する。ただし、本戦でのシード権を獲得することを考えると世界チームランキングが重要になるため、ランキング下位の選手を団体戦用に選ぶことは現実としては難しい。
 そう考えると、今の日本選手では男子は世界ランキング(8月現在)5位の張本智和、同10位の丹羽孝希、同14位の水谷隼の3人に代表は絞られてきた。女子では6位の石川佳純、8位の伊藤美誠、10位の平野美宇の3人が濃厚だ。残り4カ月で、これらの選手を世界ランキングで追い抜くのは至難である。

 もちろん、最後の最後にどうなるかは予断を許さない。リオ五輪の時も、男子の吉村真晴が最終選考前の最後の半年間で急激に世界ランキングを上げて、3番手に入ったケースもある。