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T2ダイヤモンド4日目
●女子シングルス決勝
孫穎莎(中国) 7、3、−6、−6、−3、3、4 伊藤美誠(日本)

 卓球のエンターテイメント性を追求しつつ、スピード感のある競技ルールのT2ダイヤモンド。世界の上位16人で争う高額賞金大会がシンガポールで開催。
 女子決勝に進んだのは伊藤美誠と孫穎莎。2週間間のチームワールドカップでは、団体決勝で両者は対戦。伊藤はマッチポイントを奪いながらも逆転された。その因縁の相手と、シンガポールの決勝の舞台で再戦した。

 1ゲーム目は互角のスタート、5−5。6−6から孫の強打で6−8と伊藤がリードを奪われる。7−8から孫の3球目ドライブで7−9。7−10からは強烈な孫のバックドライブが決まり、7−11で落とす。

 2ゲーム目、0−3から2−4、3−5から3−11と落とす。孫の強打が1ゲーム目から襲いかかってくるために、どうしてもリスクの高い攻めになっていき、打ち急いでしまうのか。

 3ゲーム目、3−1、5−1、ようやく攻撃が決まり始める。一気に8−1と離す。8−5と差を詰められたところでタイムアウト。その後、11−6で取り返す。

 4ゲーム目、2−2、4−4、伊藤の速いバックハンドに孫もミスが出始める。5−5から3球目のスマッシュがオーバーして、5−6。すぐに6−6。ブロックでしのぎ7−6。バック強打で8−6。
 バック強打からのフォアスマッシュのコンビネーションで9−6。10−6とゲームポイントを取ったあと、最後はバックブロックがエッジとなり11−6でゲーム奪取。0−2から2−2とする。会場では「ミマコール」が飛び交う。

 5ゲーム目からFAST5。2−0とリード。2−2から2−3、2−4から3球目スマッシュで3−4、最後は孫のバックドライブをブロックしきれず、3−5で落とす。

 6ゲーム目。体が前に乗った状態でブロック、そして強打すると伊藤の得点になる。ミスしたとしても、仕方ない。リスクを取らないと孫には勝てない。孫もグッと前に出て打球した時のボールは世界一の威力だ。攻撃をかわしては勝てない相手。伊藤のカウンター、スマッシュが孫を襲い、5−3で取り返し、最終ゲームへ。

 7ゲーム目、サービスエースで1−0のスタート。1−1からフォアドライブが決まり、2−1、孫の連続ドライブで2−2。互角だ。ロングサービスからの連続バック強打で3−2。あと2点。ブロックミスで3−3。
 巻き込みのサービスエースで4−3、マッチポイントを伊藤が先に奪う。孫の強打で、4−4。最後は勝負をかけた3球目のスマッシュがわずかにオーバーミスして、伊藤は敗れ、孫が優勝を飾った。
 直後のインタビューで伊藤は語った。
「この大会では絶好調でない中で決勝まで来て、0−2から挽回したけど、最後は負けてしまったので、次は勝ちたい。孫さんには今年に入ってたくさん負けているので、来年は勝てるように頑張りたい」
 伊藤の速さ対孫の威力の対決。スピードと回転という卓球の特徴を究極まで高めた二人の試合。素晴らしい内容だった。
 この試合に敗者はいない。
そこで見たのは、卓球を極限まで高めようとする「二人の勝者」だった。