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 カナダのマーカムで行われているノースアメリカオープン・ワールドツアーチャレンジプラスの女子シングルス決勝。その舞台に立ったのは日本の石川佳純(全農)と平野美宇(日本生命)。
 通常、世界のトップ10に入るような選手はワールドツアーのプラチナやレギュラーよりも格下と言われるチャレンジプラスには出場しない。
 しかし、東京五輪の代表をほぼ確定した伊藤美誠(スターツ)を除く、日本の石川と平野は出場した。もちろん、それは12月12日から始まるワールドツアー・グランドファイナルを最後の大会として決まる世界ランキング(1月発表)によって、日本の五輪代表の2名のシングルス代表が決まるからだ。(1月6日発表)

 二人は優勝して1100ポイントを獲得するしか持ち点は上乗せされない。石川と平野の今年1月からの獲得ポイントの差はわずか65点で平野がリード。もし優勝すれば二人の大会での最低獲得ポイント900点に200点(1100点との差)が加算される。
 二人はその差の200点を獲得するため、もしくは自分のライバルの優勝を阻止するためにカナダに乗り込んだとも言える。11月からJA全農チームワールドカップ、オーストリアオープン、T2シンガポールと連戦が続く、疲労はピークに達しているはずだが、負けられないノースアメリカで死力を尽くし、決勝で戦った。

●ノースアメリカオープン・女子シングルス決勝
石川佳純 4(11-9、11-8、1-11、14-12、6-11、12-10)2 平野美宇

 出足から激しいラリーが展開された。ポイントごとに声を出し、気合を入れる石川。五輪への思いの強さがほとばしる。一方、努めて冷静に戦おうとする平野。両ハンドで石川の猛攻をしのぎ、カウンターを狙う平野に対し、石川は勝負どころで強烈なフォアハンドドライブを打ち込む。
 2ゲームを連取し、2-0とする石川。しかし、3ゲーム目を平野が取り返し、勝負は4ゲーム目だった。出足で石川がリードするも、平野が追いつき、ジュースにもつれ込む。石川のボールがネットインになる幸運もあり、石川がこのゲームを14-12で取り返す。
 平野が5ゲーム目を取り返すが、6ゲーム目石川が再びジュースで取り、4-2で石川が勝ち、優勝を決めた。最後まで石川は迷わずに攻めきった。試合後、ベンチに戻り、ひとり涙を流す石川。このカナダでの試合の重要さを噛み締めていた。

 もし負ければ、平野に265点の差をつけられる試合を、逆に優勝したことで、石川は135点のリードを奪った。
 グランドファイナルでは、16人の出場選手によるトーナメントが行われる。初戦で負けると1020点、1回勝ち、準々決勝に進むと1275点、準決勝に進むと1660点を獲得する。つまり、二人がもし同じラウンドで負けると石川が上に行き、平野が上回るためには石川よりもひとつ上のラウンドに行かなければならない。中国選手が多く出るグランドファイナルで勝ち上がっていくのはハードルが高い。だからこそ、石川はこの大会で優勝する必要があった。それゆえの彼女の優勝の涙だった。
 二人のデッドヒートのゴールは見えている。しかし、誰も予測できない。
 世界の卓球界で、もっとも激しい五輪代表争いを行っているのは間違いなく、日本の石川佳純と平野美宇なのだ。