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 なぜ、ここまで追い詰められなければならないのか。石川佳純(全農)が平野美宇(日本生命)を世界ランキングポイントでわずかに上回り、伊藤美誠(スターツ)に続いて東京五輪・卓球競技のシングルス代表候補に確定した女子五輪代表の選考レース。「光が見えなかった」(石川)、「もう卓球をやめようと思った」(平野)と語り、赤く泣き腫らした眼で質問に答えた両選手。倒れ込むようにゴールテープを切った、まるで勝者なきレースだった。

 石川は現世界女王の劉詩ウェン(中国)に0−4、平野は王芸迪(中国)に1−4とともに1回戦で敗れ、獲得した世界ランキングのポイントは同じ「1020」。リオ五輪から3年、そしてこの1年で一気に激しさを増した選考レースで、石川と平野の世界ランキングポイントの差はわずか「135」だった。年間12大会行われるITTFワールドツアーでも、1回勝ち進むことができれば逆転可能な差。石川も平野も、その1勝を挙げるためにもがき、苦しんだ。

 「1年間長かったな……という気持ちです。この1年、うまくいったことがほとんどないくらい辛いシーズンだった。なかなかチャンスを生かせない自分がすごく悔しかった」。ミックスゾーンでそう語った石川。10月のスウェーデンオープン、ドイツオープンと格下の選手に早いラウンドで敗れる大会が続き、世界ランキングポイントで平野に逆転を許した。「内容的にもダメな負けが続いて、光が見えなかった」と石川は言う。
 「自分の一番大事な時になかなか調子が上がらなくて。家族のサポートだったりとか、つらい時に励ましてくれた方々がいなかったら、今日ここにいることも難しかったんじゃないかと思うくらい大変でした」(石川)。

 一方の平野は、16年リオ五輪で代表入りを逃し、Pカード(選手負傷時の代替出場選手)として、会場で日本女子の銅メダル獲得を見守った。その悔しさと五輪に懸ける思いを胸に、2017年にアジア選手権で中国選手を連破して優勝、17年世界選手権で銅メダル獲得と歴史的な快挙を連発。しかし、その後は卓球へのモチベーションの維持に苦しみ、ラケットを置くことさえ考えた。

 「去年くらいはずっと卓球をやめたかった。その中で自分なりに、今年は頑張れたかなと思います。(リオ五輪からの)3年間、ずっと頑張ることができなかった。卓球に対しての気持ちが弱かった。自分の中ではこれが精一杯だったと思うし、今回はこういう結果だったということを受け止めたい」(平野)。日本女子の団体3番手の選手は強化本部推薦で、現時点では平野に確定したわけではないが、実績と世界ランキングから考えれば、平野が選ばれる可能性は大きい。