スマホ版に
戻る

トピックス

トップニューストピックス
 ITTF(国際卓球連盟)のアダム・シャララ会長がロンドン五輪の出場枠変更などに関する質問を含むインタビューに対して、自身の考えを語った。またインタビューの最後には最近注目の選手として、日本の水谷隼(明治大)の名前を挙げた。インタビューからの抜粋コメントを以下に紹介する。(Q= 記者、A=シャララ会長)

Q:五輪のルール変更について周囲の反応をどう思っていますか?中国を意識しすぎているのではとも言われていますが?
A:中国のことだけを考えて変更を決定したとしたらそれはいけないことだが、そうではない。この変更が中国に対してのものだとは考えないでほしい。自分たちは卓球界にとって何が一番良い方法なのかを考えている。そしてそれが中国にマイナスの影響を及ぼすことになっても、卓球界全体が良くなることが一番大事なことなので、気にすることではないと思っている。しかし、1つの国をターゲットに変更するということはない。多くの場合、このような変更があると強いチームに影響がおよぶ。しかし、もしこれが中国の影響力を抑えるためだけのものだとしても中国はすぐに調整し、対応してくるだろう。本当に強いチームはどんな変更があろうとも結果は変わらないものである。


Q. 五輪のシングルス出場枠を3名から2名に変更したことに対して、「良いことだ」と言っている国は多いがそれについてどう思いますか?
A:もちろん良いことだと思う。強い国の出場者がひとり減ったら、もちろん他の国の選手にとって上位に行く可能性は広がり、そしてやる気にもつながる。 しかし、五輪に出場のすべての選手が、メダルを狙って戦うはずで、2004年は中国選手が3人出場していても韓国選手が勝ったという実績がある。もちろんメダルの2つを中国選手が取っても、3つ目は他の国の選手に行くのが確実なのは良いことだが、中国が優勝候補であることに変わりはない。


Q:今年5月にオランダで世界選手権があります。五輪の前哨戦とも言える試合をご覧になると思いますが、それに関してはどう考えていますか?
A:オランダは過去にも大きな大会を開催しており、組織力も持っているので大会開催に関しては、安心してまかせられる。内容としては、やはり中国が優勝候補には違いない。しかし、シングルスは中国が有利でもダブルスもある。それに、現在の世界ランク1位はドイツ選手で中国選手ではない。ボルは世界選手権で優勝したことはないが、ヨーロッパ選手権では3回も優勝している。しかし、ヨーロッパ選手権には中国、韓国、日本、香港などの強いアジア選手がいない。(世界戦優勝は)彼にとって難しいチャレンジだが、世界ランク1位として優勝を狙ってほしい。


Q:以前、馬龍(中国)のプレースタイルを楽しんでいると言っていたが、中国選手以外で注目すべき若手選手はいますか?
A:以前は、孔令輝(現在は中国ナショナル女子チームのコーチ)が気にいっていた。彼のスタイルと控えめな態度が好きだった。馬龍は彼と似ており、ヤング孔令輝といった感じを受ける。オールラウンドのスタイルで、台上にも重点を置いている彼のプレースタイルは気に入っている。しかし、最近新しい選手に注目している。プロツアー・グランドファイナルのチャンピオンである日本の水谷だ。以前は、試合中に闘志がみえなく、あまり好きな試合ではなかったが、この6ヶ月間でプレースタイルが変わってきた。グランドファイナルでも闘志を前面に出し、勝ちに行く姿勢が見えた。流れるようなプレーも好きなスタイルであり、これから注目すべき選手である。