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 ITTFが行っている2011年の発展プログラムの中でもXIOM(エクシオン)の『エクシオン・デベロップメント・インセンティブ・プログラム』が注目されている。その理由はユニークな選考方法にある。援助を必要としている発展途上国に、無条件で用具を提供するのではなく、オリンピック・ソリダリティ(※下記参照)を通してコーチの育成に力を入れる国が援助の対象となっていた。

 韓国の卓球メーカーであるXIOMは質の高い用具をリリースしている近年急速に卓球界に進出してきたメーカーである。2010年12月にITTFはXIOMのフィリップ・キム代表に援助の話をもちかけ、キム氏はこのITTF発展プログラムへの援助を即座に約束した。卓球を通して発展途上の国や地域の援助は、キム氏の考えと一致していたのだ。ITTFとXIOMの2回目の打ち合わせで、すでに『エクシオン・デベロップメント・インセンティブ・プログラム』は誕生した。そして、そのコンセプトが発展途上の国々に大きなインパクトを与えたのだ。

 援助の内容は卓球台6台(ネット・サポート含む)、スコアボード8個、ラケット8本、ボール12ダース、ユニフォームを1セットとし、選考基準をクリアーした8つの国に送られるというものだった。それぞれの国では2月にプログラムが発表後、オリンピックソリダリティを通し、国内で技術的または発展的なスポーツコースの設立が必須だった。そして、この報償は1つの大陸で2カ国という限定だった。

 素早い行動を起こし、この報償を受け取ることができたのは、アフリカからはウガンダとジプチ共和国、アジアからはアラブ首長国連邦とフィリピン。その後、南米からはパナマとカリブ海の小島、トリニダード・トバゴ、そしてオセアニアからはミクロネシア連邦とマーシャル諸島が選ばれた。既に用具も受け取り、試験的なプログラムも開始したジプチ卓球協会の会長は「ITTFとXIOMの援助にとても感謝している。ITTF発展プログラムの継続的な支援なくして、今後の発展のためのモチベーションを高く持ち続けることは難しい。本当に感謝している」とコメントした。

 ITTFの発展プログラムは、現在年間に110以上のコースがあり、発展途上国を中心にコーチ教育、トレーニングキャンプ、審判コース、大会組織コース、マーケティングコース、そしてウーマンコースなどのコースが組まれている。

※オリンピック・ソリダリティとは IOC(国際オリンピック委員会)が援助の必要な国々のスポーツの発展促進のため、指導者や競技者育成を主な目的として、様々な支援事業を行っている活動。

※写真はXIOMから報償を受け取ったジプチ共和国(写真提供:ITTF)