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 アメリカ代表として活躍した往年の名選手で、「フィンガースピン・サービス」の使い手として知られたソル・シフが、2月26に逝去した。享年95。

 1935年に18歳で世界選手権に初出場したシフは、37年の世界選手権バーデン大会で男子団体初優勝。アメリカ男子チームが優勝したのは、世界選手権の長い歴史の中でもこの一回だけ。その秘密兵器は、ボールをトスする時に指(フィンガー)でボールに強い回転を与え、ラケットにぶつけて出す「フィンガースピン・サービス」だった。直角に曲がると言われたほど猛烈な変化サービスで、しかも対戦相手からは指でどんな回転を与えたのか分からない。「手品師まがいのサービス」と各国から批判されたが、まさに卓球界を吹き抜けた突風だった。

 この37年大会の直後に「フィンガースピン・サービス」は禁止されたが、シフは38年ウェンブレー大会でもシングルスベスト8、男子ダブルス優勝という好成績を残しており、サービスだけの選手ではなかったことがわかる。アメリカ卓球協会の会長なども務め、アメリカでの卓球の普及に尽力した。ご冥福をお祈りします。
※写真提供:ITTF