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 今日2月10日の17時6分、1961・63・65年世界選手権3連覇の荘則棟(中国)が、入院先の北京市佑安医院で亡くなった。享年72。

 荘則棟は江蘇省揚州市の出身。北京市に移住後、北京市少年宮で卓球を始めてすぐに頭角を現し、59年に中国男子ジュニアチーム入り。2年後の61年世界選手権北京大会で初出場・初優勝の快挙を達成すると、両ハンドから機関銃のような強打を放つ、独創的な右ペン表速攻で、63年プラハ大会、65年リュブリアナ大会でも優勝して世界選手権3連覇。中国の国家的な英雄として絶大な人気を誇った。
 文化大革命による2大会欠場の後、71年世界選手権名古屋大会では中国代表として再び卓球界に登場し、中国とアメリカによる「ピンポン外交」で大きな役割を果たした。後にはスポーツ省大臣(国家体育運動委員会主任)まで上り詰めながら、失脚して投獄されるなど、波瀾万丈の人生だった。

 2008年に直腸ガンが発覚してからは、手術や放射線治療を繰り返し受け、全身に転移するガンとの長い闘病生活を送っていた。奇しくも中国の旧正月にあたる「春節」の日に、世界の卓球史に偉大な足跡を残した名選手がこの世を去った。ご冥福をお祈りします。