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卓球王国ストーリ-

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 取り次ぎ会社からのヒアリングの後、卓球王国の版元になっていた新宿にある会社を訪れた今野。待ち構えていたのは社長と営業担当の役員。社長は元々ひと癖ふた癖あるような鋭い眼光の人だったが、営業担当の役員はそれまで温厚な感じで接していた人だったが、その役員まで顔が一変していた。
「取り次ぎ会社に聞いても、雑誌コードは金で売買するものではないと言われました。ましてや、雑誌コードを取得するときにはいろいろ動いていただきましたが、もともと雑誌コードをとるために、部数を伸ばすためにいろいろやってきたのは卓球王国です。だから、すんなりと出版社として独立させて欲しい」(今野)
「何を寝ぼけたこと言ってんだ。うちが動かなかったら次の号は出せないぞ。いいのか!」(某出版社営業担当役員)
「それは恐喝ですか? 次の号はもちろん出してもらわないと困ります。ただし、大金を出す余裕なんてうちにはないです」(今野)

 などというやりとりがあった。温厚そうに見えていた営業担当の役員の豹変ぶりには驚いた。これが本当の顔だったのか……。まるでやくざの事務所のようではあったが、今思えば良き経験だ。
 結局は、わずかな手数料を支払うことで解決して、2001年7月号、通巻50号から晴れて卓球王国は出版社として独立して、取り次ぎ数社に対し、口座を開設して、版元としてスタートした。
 奇しくも、その号は、2001年世界選手権大阪大会の特集号だった。
 ところが、ホッとしたのもつかの間、卓球王国に次なる試練が待ち構えていたのだ。  <続く>

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  • 卓球王国が出版社になった記念すべき1冊目は、2001年7月号