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速報・現地リポート

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第4回世界ジュニア選手権大会

この世界ジュニアを2回連続取材して思うのは、日本にはなぜこんなにも才能あふれる選手がいて、一生懸命卓球をやれる子供がいるのだろうということ。これは外国コーチ、そしてアメズィッチや、日本をよく知るミッシェル・ブロンデル(フランス)などを話をして説明され、理解できるのだが、つまりは子供たちを教える情熱的で、一生懸命なコーチが日本にはたくさんいることだ。その多くがしかもボランティアのコーチなのだということ。まさに日本を支えているのはこういったコーチの人たちなのだ。
 そこで育った選手たちが、たとえば青森山田のようなエリート集団の中で切磋琢磨し、かつドイツなどに行きながら、力と経験を積んでいる。これが今の日本の、とりわけ男子の状況なのだ。それは青森山田や、仙台育英のように学校がサポートしているのも幸運なことだろう。
 昨年の水谷、そして岸川、高木和、のような才能があったり、努力する選手の出現。そして力をつけた健太。日本はまさに外国コーチがうらやむ「才能の宝庫」なのだ。
 しかし、ジュニア以後の強化と育成が急務なのは言わずもがなだろう。単にブンデスリーガに放り込んで鍛えるのがいいのか、それとも国内でじっくりと強化するのか、それともミックスなのか、答えは簡単には出ない。いずれにしても日本には将来があることは間違いない。
 ドイツのブレーメンでの世界選手権のあとに言われたことに、ジュニア選手、特にドイツに行った連中には、人間教育、礼儀などを日本でしっかり教える必要がある、という点だ。それは間違いではないだろう。だけども、実際に、岸川にしても、今回の高木和、健太にしても、みんな礼儀もしっかりしているし、常識的だし、とてもいい子たちに思える。何より、試合に向かっていく時のハートがいい、日本人としてのスピリットを強く持っている。ある意味、シニア選手よりも感動させる何かを彼らは持っている。彼らのそんないい部分をもっと伸ばして欲しいというか、触らないで欲しい。もちろんスポーツマンとしてのマナーや心を教える必要があると思うけど・・。
 今回、団体戦、そして個人戦での選手のがんばり、健太の優勝を通して、取材者として、日本人として、感じたことは、「誇り」プライドだ。今までビッグゲームを取材するたびに、喜びもあったけど、悔しい思いの方が多かった。特に最近は日本男子は勝てなかった。ところが、今回はぼくは日本のジャーナリストとしての誇りを持てた、それは選手たちが素晴らしいプレーと試合を見せたからだ。関係者や知人からも「おめでとう!」と声をかけられた。こんなハッピーなことはない。だから本当に心から選手たちに「ありがとう」と言いたい。ぼくは彼らを誇りに思っている。(今野)