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速報・現地リポート

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全日本卓球選手権大会

 今年の全日本選手権も無事閉幕した。この大会に向け、正月返上で練習してきた選手たちも、ようやくひと息というところだろう。
 今年は世界選手権(個人戦)が5月21~27日まで、クロアチア・ザグレブで行われる。男女とも昨年末に選考会が行われ、男子で韓陽、女子で平野早矢香が優勝してすでに代表権を得ていた。女子では福原愛も世界ランク最上位ということで、すでに代表権を獲得している。そして今回の全日本選手権で、男子では優勝した水谷隼、そして女子は選考会優勝の平野が優勝したため、自動的に選考会2位の樋浦令子が代表に選ばれた。男子2名、女子3名の代表が決定したことになる。
 シングルスの代表枠は5つ。残りは強化本部推薦で選ばれる。男子は今回準優勝の吉田は選ばれそうだ。女子準優勝の藤井はどうか? また、松平健太・石川佳純の選出はあるのか? 興味が持たれるところだ。

 男子シングルスで優勝した水谷はこの1年で筋力がアップし、線の細い印象だったのがグッと力強くなった。柔らかいボールタッチはそのままに、テクニックだけでなくパワーでも一般クラスになってきている。正直、優勝するにはまだ早いかと思っていたが、今大会で見せた強さは間違いなく本物だ。
 女子シングルス優勝の平野も安定した強さを見せた。昨シーズンはやや低迷した感があったが、今季は全日本社会人に続いて全日本も制した。向上心のある選手だけに、これからも技術を改革・改良して、独自の両ハンドスタイルを磨いていくだろう。
 
 優勝の最年少記録を更新した水谷を筆頭に、準決勝で吉田海偉に迫った大矢英俊、昨年に続いてベスト16入りした松平健太、そして女子で衝撃のベスト4入りを果たし、決勝進出まであと一歩だった中学2年生の石川佳純。彼らはミスを恐れない。そして一般やジュニアというカテゴリーも関係ない。どの選手にも真っ向から勝負を挑み、そして打ち破っていった。

 日本卓球界が芽吹きの時を迎えようとしている。しかもその芽は太く、たくましい。卓球というスポーツを、もっと明るく、もっと楽しい方向へ、導いてくれるような気がしている。