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世界選手権ザグレブ大会(個人戦)

 王励勤対柳承敏の第1ゲームはリーチを生かした柳承敏が中陣からの大きく曲がるフォアクロスを生かし、ポイントを上げ、台については、相手のミドルへの先手攻撃で一気に11-6でゲームを決めた。第2ゲームは王励勤が台上での逆モーションでコースを突き、主導権を握り、8-3とリードし、一気に11-3で取り返した。第3ゲームは執拗にミドルに攻めてくる柳承敏のボールに対して、王励勤は徹底したオールフォアでの攻撃に切り替えた。しかも、前陣でのピッチの早い両ハンドも効果があり、11-7で王励勤で取り、ゲームを2-1とリードした。
 第4ゲームは先手を取った王励勤が5-1とリードしたが、柳承敏は素晴らしいフットワークと大きく振り抜かれたフォアハンドドライブで7-7と追いつき、コースも第1ゲームと同じ、フォアドライブで相手のミドル攻めが戻り、7-9と柳承敏が逆転した。しかし、緊張から来る過剰な集中力がサービス、レシーブを狂わせ、10-10のジュースに入り、両者とも動きに精彩を欠いたが、13-12から柳承敏が大きなフットワークから会心のフォアハンドドライブを相手のフォアサイドに決め、13-13。柳承敏がひるむことなく前陣でバックストレートへフォアハンドドライブを放ち、14-13とリード。ジュースで2本連続ファインプレーができる世界のトップクラスは競った時でも最高のパフォーマンスを見せる。結果はサービスミスで14-16と柳承敏が2-2に持ち込んだ。
 第5ゲームは1ゲーム目と同じように柳承敏が徹底したミドル攻撃に転じたが、体力勝負に出た王励勤は大きくフォア対フォアのドライブで応戦し、前半の展開にはなかった小技から大技とペースを変えた。体力の消耗が見えだした柳承敏は6-11でこのゲームを落とした。第6ゲームのスタートから激しいロング戦のラリーからロビング戦となり、王励勤が打ち抜いた。この後、柳承敏はミドル攻めとミドルに小さく止める作戦に戻り、本来のフットワーク力と威力のあるフォアドライブで王励勤のミスを誘い、7-7としたが、王励勤は柳承敏のミドル攻撃を待ちかまえ、カウンターで3本しのいだ後、見事にストレートに打ち抜いた。7-10とリードされた柳承敏はサービスエースを取り、フォアハンドドライブでポイントし、台上でも切れのあるフォアハンドスマッシュを決め、ジュースに持ち込み、ここからジュースに強い柳承敏が得意のロング戦でゲームポイントを取り、続けざま、レシーブ攻撃でこのゲームをものにした。
 第7ゲーム、最終ゲームに入り、スタートから6ゲーム目と同様に長いロング戦の末に柳承敏が取ったが、ここから王励勤はフォア対フォアのラリーを避け、徹底した台上バックハンドから連続バックハンド攻撃に作戦を変え、トータル6ポイントものバックハンド攻撃で優勢に立ち、9-4とリードした。柳承敏も最後の力を振り絞り、フォアハンドでよく動き、3本連取したが、最後は相手を良く見た王励勤が丁寧にバックハンドでコースを突き、勝利した。
 この試合を見て、世界選手権での対戦となるとこのような1時間半を超える死闘とも言える試合が展開される。技術と戦術と強靱な体力が最後の勝負に結びつくと思われる。