スマホ版に
戻る

速報・現地リポート

トップニュース速報・現地リポート

第5回世界ジュニア選手権大会

編集後記ならず取材後記かな。
日本はよく頑張ったと思います。シニアでもそうだが、ジュニアでも世界のトップに立つ選手というのはきらめくような才能を持った選手たちだ。しかもその中でシニアで活躍できるのは一握り。しかし、この世界ジュニアはそう言う可能性を夢想させてくれる大会と言えよう。中国のように国中からあまた才能ある選手が北京に集まり訓練しているような国は別だが、韓国でも日本でも毎年常に才能ある若手がいるわけではない。日本は毎年のようにメダルを獲得し、上位に入ったり、金メダルを獲るのだからある意味たいした国なのだ。ただこれは協会の力と言うよりも、母体コーチたちの努力のたまもので、そこにチャンスを与えている協会もある意味評価しなくてはならない。
全試合が終わって、フランスの友人、ミッシェル・ブロンデルコーチ、13歳のゴージー選手、トレーニングコーチのフランク、そして卓球レポートの中川君と食事に行った。「日本はもっとマリオ(・アメズィッチ)を評価して欲しい。彼がいなければ日本はどうなっていたのか。彼はすごいコーチなんだ」「フランスは日本とは違う。数少ない才能ある選手たちを大事に育てている。ここにいるシモン(・ゴージー)は13歳で、親から離れてナショナルセンターに来る。大人の場所から彼を守らなければならない。彼を教育し、道から大きく離れないようにするのも我々の仕事だ。どんなふうにこういう子どもたちを面倒見るのかが重要な仕事だ」と彼は言った。
 次から次に才能ある選手が出現する日本。選手を数年間にわたり面倒見て教育するシステムが日本にあるのだろうか。この選手がダメなら、ハイ次の選手、と切り替えていないだろうか。まるで中国のコピーのように。ジュニア選手の教育とは何だろう。強化本部に長期的なビジョン、ジュニア育成の明確なプランはあるのだろうか。
 水谷、岸川という逸材はいったい誰が強くしたのだろうか。愛ちゃん、石川というスターは誰が育てたのだろうか。日本のジュニア強化とは……。「どこの国も協会というのは問題を抱えているよ。今できるのは協会への不平ではなく、今自分たちが何をできるのかということ」とブロンデルは言った。
 日本にはミッシェル・ブロンデルコーチのような男はいるのか?
 そんなことを考えながら、アメリカのパラ・アルトの最後の夜が終わろうとしている。
 (今野)