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世界選手権広州大会(条太の広州ぶるるん日記)

村上春樹

2008/02/23

 飛行機の中で読む本として、以前から宮根さんに借りていた村上春樹の『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』を持ってきている。私は小説はほとんど読んだことがないので、もちろん村上春樹も初めてだ。いまのところ、面白いも面白くないもない。とにかく最後まで読むだけだ。

 その中で、ハッと思い当たることがあった。89年の5月に友人達と8ミリビデオカメラで30分のドラマを作ったことがあった。題名は『私の犬神日記』といって、つき合い始めた彼氏が犬神教の信者(教祖と二人だけの宗教だ)であることがわかって苦悩する話だ。その中で、犬神教の崇拝対象として、犬の頭蓋骨を撮影した。これは教祖役をやらせた杉浦くんがたまたま持っていたので(もと飼い犬だったかどうか忘れた)これはいいとシナリオに組み込んだのだ。完成した作品を見せたある女性が犬の頭蓋骨のシーンを見て「○○の真似でしょ」と言った。私がいくら否定しても「うそだ、絶対○○の影響を受けたんだ」と力説されたことを覚えている。

 今読んでいる村上春樹の小説に、動物の頭蓋骨が出てくるのだ。発行も88年だ。布でくるんで保存するところまで犬神日記と同じだ。たぶん、あのとき彼女は、この小説のことを言っていたんだと納得した。19年前の記憶と繋がってうれしい。

 王国のブログを見ると、水谷選手は89年6月生まれだという。俺が『犬神日記』を撮ったころに生れたのか。どうこでどう間違えてあんなに強くなってしまったんだろう。