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世界選手権広州大会(団体戦)

 日本対イタリア。一番に出た平野はスタートの集中力が非常に高く、出足からフォアドライブの得点率をアップさせた。またサービスの変化で相手を崩す、もっとも理想的なスタートを切った。2ゲーム目以降も左のステファノバのバック側へのサイドスピンサービスからの組み立てで効果的に得点を重ね、フォアハンドの強打も無理をせず、相手のバック側への徹底した攻めが光った。特に平野のプレーの落ち着きさが感じられた。
 2番の福原は1ゲーム目、サービスで崩し、コースを突く丁寧な作戦で調子を上げ、自分のペースに持ち込んだが、9-3からの詰めの段階に入り、最近の悪い点である迷いが出て、攻め方が雑になり、ジュースで取られた。2ゲーム目は1ゲーム目の攻めの誤りから作戦を絞り、前半でのコースへ厳しく攻めるボールと、速攻を織り交ぜ、前半からペースもよく進んだが、徐々にコースが甘くなっていくところを7-7に追いつかれ、投げ上げサービスからの攻撃でしのいだ。3ゲーム目は先手攻撃とサービスのバリエーションの組み立てが効果を発揮し、本来の調子を取り戻した。4ゲーム目は、福原本来の完璧な両ハンドの攻めが相手を圧倒した。
 3番の福岡は、1ゲーム目、サービスから相手側のバックを攻め相手を崩していったが、後半になり、フォアへのフォアドライブが甘くなり相手にカウンターで強打される展開となった。もう少し前半のまま作戦を徹底していけば取ったゲームだった。2ゲーム目からはサービスをバック側へ徹底し、3球目以降もそのペースを変えずに攻撃し、相手を崩した。3ゲーム目になりバックのツブ高面でのコース配分が相手のミスを誘い、一気に福岡ペースに持ち込んだが、フォア強打のミスによってジュースに持ち込まれるが、ジュースからの王子サービスの威力で圧倒した。4ゲーム目はサービスで着実に2ポイントを取る展開からレシーブにも余裕が出て、福岡ペースで試合が進んだ。後半、やや強打にミスが出たが、最後はバックのブロックでしのいだ。
 全体的に、世界選手権で戦う場合、ひとつの作戦ミスが命取りになるので、徹底した攻めの作戦、または徹底した守りの作戦に迷いが生じないようにすることが大切だと感じられた。やはり勝負所になると自信を持ってやるべきことを、きっちりとセオリー通りに持ち込むことが勝利に近づく第一歩だと思われる。
高島の通信簿。平野は90点、福原65点、福岡70点。