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世界選手権広州大会(団体戦)

 水谷はトップでベテランのエロワと対戦し、第1ゲームはフォアハンドドライブのストレート攻撃でエロワの体勢を崩して主導権を取り、またサービスで相手を崩し、出足の良いゲーム運びをした。第2ゲームもペースをつかんだ水谷はラリー戦で相手を圧倒し、9-9と競った場面でもボールコントロールが冴え、レベルの違いを見せた。第3ゲームはスタートでつまづき、レシーブで甘くなった点を突かれて1-8とリードされた。エロワの3球目攻撃のパターンに入り、受け身になってしまったのがゲームを落とした理由だ。第4ゲームはレシーブで2本失点し、変化サービスで相手を崩したが再びレシーブが甘くなり、連続失点するパターン。しかし、サービスの威力は衰えず5-5からの水谷のサービスエースでペースを呼び戻した。最後はサービスでの2点取りで勝負を決めた。試合全体を通じて、水谷のサービスの多彩さ、とレシーブのコース取りの良さが勝因となった。

 2番の韓陽は、台上での先手攻撃で優勢に試合を進めたが、徐々にラリー戦に持ち込まれ、5-2のリードから5本連取を許す。苦しい展開になったが、9-9からのサービス、3球目攻撃のコース取りが良く、特に裏面でのバックドライブで勝負を決めた。第2ゲームはバックサイドの回り込みのフォアドライブと、裏面でのバックドライブが決まり、ペースをつかみかけたが、後半の詰めの段階で消極的になり、逆転を許した。
 1-1となった3ゲーム目は前半の競り合いから7-5とリードするが、フォアドライブを相手にカウンターされて追いつかれ、なんとか得意のサービス、3球目攻撃で競り勝った。第4ゲームはショートとフォアドライブのコンビネーションで相手を揺さぶり、後陣へ下げ、前陣対中・後陣の戦い方で8-3とリードし、そのまま逃げ切った。しかし、全体的には韓陽のフォアドライブにキレがないのが、気にかかる一戦であった。

 3番の吉田は出足で0-4とリードされながら、得意のフォアドライブとフットワークで5-7とばん回するが、レシーブの2本のミスで出足からの遅れを取り戻せなかった。昨日の試合でもレシーブの失点が気にかかる。第2ゲームは、レシーブを修正し、5-3とリードしペースに乗り、特にショートサービスからの台上3球目攻撃が決まり、またフォアドライブの威力も戻り、9-5とリードして第2ゲームを攻めきった。第3ゲームはサービスの調子も良く、4-1とリードし、攻め方もリズムが良くなったが、相手のループドライブにショートのタイミングが合わず、8-9と逆転される。ここで吉田のサービスの威力が発揮され、ジュースに持ち込み、粘り勝った。
 第4ゲームは、フットワークを使ってのフォアドライブとバックのしのぎが重要と思われたが、このゲームの吉田はレシーブでコースを丁寧につくプレーが出始め、プレーに安定性が増し、余裕が出てきた。特にサービスでの間合いがよく、3球目のキレのあるフォアドライブを連発するようになった。ポイント的には競ったが、最後は吉田の得意のフォアドライブで勝利した。
【高島規郎の通信簿】・水谷80点 韓陽75点 吉田70点