スマホ版に
戻る

速報・現地リポート

トップニュース速報・現地リポート

世界選手権広州大会(団体戦)

 世界ランキング1~4中国が揃う中国の強さは圧倒的。順当に行けば、1点も落とさずに優勝、ということもある。
 しかし、個人戦以上に「流れ」が勝敗を左右するのが団体戦。地元で「勝って当たり前」の状況の中で、ちょっとしたミスが大きなプレッシャーによって致命傷になることもありうる。
 中国に風穴をあける可能性があるチームは、韓国やドイツだろう。前回準優勝の韓国は、アテネ五輪金メダリストで昨年の世界戦3位の柳承敏の、爆発力に期待したい。超人的フットワークを駆使したフルスイングのフォアハンドドライブは、緻密な中国卓球にとって最大の脅威だ。しかし、当たるととめられない呉尚垠が不出場というのが痛いところだ。
 同様にドイツも、中国がもっともおそれる選手であるボルが、膝の故障で参加を見送ったのが痛い。しかしボルに続く欧州若手の星であるオフチャロフの急成長があり、中国にとっても油断はならない相手だ。
 また、ガオ・ニン&ヤン・ツーのいるシンガポールも強い。中国香港も曲者揃いだ。チャイニーズタイペイ、オーストリアなども強い。
 さて日本男子は、近年低迷が続いていたが、光が見えてきた。高校生ながら全日本で連覇を達成した水谷が大黒柱となる。ドイツ・ブンデスリーガでもまれ、ここ1年で大きく成長した水谷。天性のボールタッチに力強さも加わり、何よりも勝負に対する嗅覚が鋭くなった。ワルドナーにも通ずる真のオールラウンドプレーは、既に世界のトッププレーヤーにとって脅威となっている。水谷を軸に、好調の吉田、腰の状態に不安が残るものの実力は高い韓陽、そして岸川らが脇を固める布陣には、好成績が期待できる。
 予選リーグではドイツ、フランス、ロシアなどが強敵だ。ドイツに対してはボルがいないだけにチャンスもある。逆にフランス、ロシアなどはランキング以上に油断のならない相手だ。楽に勝てる試合はひとつもないが、是非とも1位通過を狙って、メダルに近づいて欲しいところだ。