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フォルクスワーゲンオープン

 15時30分スタートの女子シングルス決勝。対戦する張怡寧と李暁霞の、ここ4年間の国際大会での対戦成績は張怡寧の12勝、李暁霞の2勝。しかし、昨年12月に行われたITTFプロツアー・グランドファイナル準決勝では李暁霞が4-2で勝利しており、実際に決勝全体を見てもタイプの違いこそあれ、技術力の差はほとんど感じられなかった。
 プレースタイルでは、張怡寧が前陣を死守するのに対し、李暁霞はやや台から下がって、回転量のあるドライブで攻める。特に準決勝で郭躍を崩したバックドライブの威力と安定感は特筆ものだ。

 試合はゲームカウント2-2となった第5ゲーム、張怡寧が10-5でゲームポイントを握り、10-8まで追い上げられたところで張怡寧がタイムアウト。ここを勝負所と見たのか、次の一本を確実に取って勝利に王手をかける。第6ゲーム、張怡寧が7-4から自らのミスを申告してカウントを訂正、7-5から7-8と逆転されるが、3本連取して10-8でマッチポイント。しかし、李暁霞の打球がエッジについて、10-10となる。ここから荻村杯の歴史に残るようなデュースの連続。14-13でゲームポイントの李暁霞がタイムアウト。しかし決めきれず、試合の流れはどちらともなく漂う。決着がついたのは李暁霞21-19張怡寧。張怡寧は実に5度のマッチポイントを逃す。

 しかし、ここで崩れないのが女王。最終ゲーム5-2とリードしてチェンジエンドすると、回転量のあるドライブを浅く落として李暁霞のミスを誘い、7-2とする。8-5からもうまく緩急をつけたドライブで李暁霞のミスを誘った張怡寧、最後は李暁霞のバックを厳しく切るフリックを李が返球できず、張怡寧の優勝が決まった!

 両者ともバックの守りが固く、無理に攻めると厳しいブロックからカウンターに結びつけられる。前陣での接近戦でありながら、「互いに洗面器に顔をつけて、どちらが先に顔を上げるか」というような、我慢比べの決勝だった。最終ゲームで見せた張怡寧の巧みな緩急が、わずかな勝敗の差となったのか。