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フォルクスワーゲンオープン

 中国国家チームでは、ともに呉敬平コーチの指導を受ける王皓と馬琳。その手の内はすべて知り尽くしているだろう2人の対戦。

 馬琳は以前よりもバックサイドで裏面ドライブを多用するようになり、この決勝でも王皓に匹敵するほどの攻撃力を見せた。これは馬琳、王皓、どちらにも言えることだが、裏面ではドライブだけでなく、手首を使わないナックル性のドライブを織り交ぜる。かつてワルドナーが得意にしていたバックハンドのナックルドライブだが、このドライブはしっかり回転をかけて返球しないとネットにかかってしまう。

 馬琳はゲームカウント2-1で迎えた第4ゲーム、12-11のゲームポイントで、裏面ドライブを強振するがミス。13-12でタイムアウトを取るものの、そこから王皓に3ポイント連取されてこのゲームを落とす。またしても馬琳、勝利を意識したのかと思われたが、第5ゲームも出足から回り込み強打を連発するなど、積極性は変わらなかった。
 馬琳が3-2で勝利に王手をかけた第6ゲーム、9-6という大詰めの場面で、馬琳が王皓のフォアを独特の弾道の低いループドライブで攻める。王皓、これをフォアのカットで返球。馬琳、このカットに目にも留まらぬ速さで回り込むと、バッククロスへフルスイングのフォアドライブ。この強烈な一本で勝負がついた。次の一本、王皓のドライブがオーバーしてゲームセット。

 07年世界個人戦ザグレブ大会では、ゲームカウント3-1の7-1から優勝を逸した馬琳。しかし、今大会決勝で最後に見せたフルスイングには、チャンピオンにふさわしい迫力があった。