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北京五輪

 中国、韓国、シンガポール、ドイツ、このチームに共通しているのはベンチの強いリーダーシップだ。ベンチでの選手との対応を見ていても、はっきりと指示を与え、選手もそれに耳を傾けるのだ。特に今回、韓国の男女チームには昨年12月に協会執行部との確執から辞任した、劉南奎、玄静和が監督として復帰した。この二人は7月10日の千栄石会長の辞任を受けて、当初ジュニアコーチの肩書きで復帰する予定だったが、急遽五輪の現場監督として戻った。エントリーの最終変更が7月20日だったから最後の最後で韓国はこの二人のカリスマを呼び戻した。
 協会内のゴタゴタが原因で、国内選考会で平等に選手選考をせざるを得なかった韓国。そのために五輪には尹在栄という対外的に実績がない選手が選ばれ、広州では金キョンア、朴美英という世界ランク上位者がメンバーから外れた。金キョンアは玄静和が辞任した時点で協会への不信感や、モチベーションが落ちたと言われた。
 五輪金メダリストの経験やアドバイスの適切さは大きい。もちろん選手としての実績は指導力とイコールではないが、彼らは指導力も兼ね備えていると言えるだろう。
 選手がベンチに戻ってきても選手同士がアドバイスをし合うチームもあるし、明確に強くアドバイスしているか否かは見ていればわかる。選手は大舞台で、メダルがかかった時には絶対勝ちたい。その時彼らが選択したのは監督の指示ではなく、選手同士のアドバイスだったのか。
写真は日本に勝った韓国。ベンチからは絶対的な存在で、選手に対してアドバイスして、ともに涙を流した玄静和監督