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速報・現地リポート

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全日本選手権大会

●男子シングルス5回戦
上田(青森山田高) 5、-8、8、-12、-9、2、8 松下(グランプリ大阪)

 鉄人・松下浩二がついにその現役生活にピリオドを打った。女子ランク決定戦が終わっていく中、フロア中央の第8コートで行われた松下vs.上田戦。カット打ちの実力はどうか、と思われた上田だが、そのフォアドライブにはとにかくミスがない。松下のカットにもミスは出ない。ランク決定戦にふさわしい引き締まった試合展開は、松下がゲームカウント3-2とリードしたが、上田が第6ゲームで8-0と大きくリードし、最終ゲームにもつれ込む。
 最終ゲームは上田が終始リードを保ち、10-7でマッチポイント。少しでも松下のプレーを観ていたい観客たちの思いに乗って、松下のカットがフワリとネットを越え、コートをとらえる。しかし、安定したドライブを打ち続ける上田の前に、松下のカットがわずかにコートをオーバー。松下浩二の全日本が終わった。

 「まずはじめに、スポンサーの方々、卓球ファンの皆様にお礼を申し上げたいと思います。本当にありがとうございました。
 32年間の卓球人生を今終えて、すごく楽しい32年間でした。試合が終わってから涙が出るかなと昨日思ったんですけど、実際終わったら結構すっきりした気持ちでした。これからは有望な若い選手を支えていこうという、新たなモチベーションを強く持っています。
 今日の上田戦に関しては、たくさんの応援をいただいて、彼も逆にやりにくかったと思う。非常に有望な選手ですが、世界で戦うにはまだまだ足りない部分もある。これからもっと頑張ってほしい(松下)」。戦いを終えた男の表情は清々しいものだった。

下写真中央は、試合を終えてNTコーチのマリオ・アミズィッチと抱き合う松下