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世界選手権横浜大会(世界卓球 ブルーライト横浜速報 伊藤条太の机上の空論 web express)

高島スクールの続き

73年サラエボ大会の男子団体戦準決勝中国戦、高島さんは4-4のラストで李景光と対戦。

ファイナルゲームで14-20とリードされた。「これで日本が負ける」と思うと、どうしても構えに入ることができない。覚えているのはそこまでで、気がついたら19-20になっていたそうだ。その間にどういうプレーをしたのか今もまったく思い出せないという。

そして19-20からの次のボール、左ききの李景光が高島さんのバッククロスに食い込むように曲がるボールを送ってきたが、それをスマッシュしようとガバーッと回り込んだ。と、ボールはさらに曲がって高島さんの体の左にあったという。「これを打たないと負ける」と思い、そのまま床に倒れこみながらスマッシュ。ワーッという大歓声に「ジュースになった」と思ったら相手ベンチの稀恩庭が起こしに来た。李景光のブロックが高島さんのフォアを抜き去っていたのだ。

高島さんがベンチに戻ると、全員が泣いていた。「負けてすみません」と謝ると「お前の試合に感動して泣いてるんだ」と言われたという。

いい話だ。私は幸せ者だ。