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速報・現地リポート

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世界選手権横浜大会(個人戦)

 4月28日、横浜アリーナで激戦の火ぶたが切って落とされる「H.I.S.2009年世界卓球選手権横浜大会」。日本の卓球ファンが待ちに待ったビッグゲームの到来だ。
 中国が男女団体とも1試合も落とすことなく優勝し、男女シングルスで3つのメダルを独占した北京五輪。しかし、その後卓球界はノングルー時代を迎え、多くのトップ選手たちは、技術・用具の両面において見直しを余儀なくされた。

 横浜港に波乱の嵐を予感させる、不穏な波が立ちつつある。中国が絶対的な強さを保つのか、それとも…?
 いざ、ヨコハマ。トップ選手のプライドを賭けた戦いを見逃すな!

●王皓と馬龍が優勝候補の双璧か? 男子シングルス

 05年上海、07年ザグレブと、2大会連続で王励勤(中国)と馬琳(中国)の対戦になっている男子シングルス。しかし、現世界チャンピオンの王励勤は、ザグレブでの優勝から国際大会で一度も優勝しておらず、北京五輪2冠王の馬琳は激戦の代償か、故障が連続している。ともにピーク時の強さをキープしているとは言いがたい。
 そうなると、クローズアップされるのは北京五輪銀メダリストの王皓(中国)、そして世界ランキング3位の若武者・馬龍。このふたりが優勝候補の双璧と見た。また中国勢では、国内選考会で大活躍した左ペンドライブ型の許シン(日+斤)も、当たりがつけば面白い存在だ。 他のアジア勢では、韓国のツインエース、柳承敏と呉尚垠がいる。柳承敏の右ひざの故障は気がかりだが、日本のファンに元気な姿を見せてほしいところ。そして世界ランキングを9位まで上げている朱世赫が、今大会の台風の目になりそうな気配だ。

 ヨーロッパ勢で上位に来るとしたら、ボル(ドイツ)、サムソノフ(ベラルーシ)、オフチャロフ(ドイツ)くらいか。シュラガー(オーストリア)、そして日本でも人気の高いクレアンガ(ギリシャ)の欠場は残念なニュースだ。「欧州の皇帝」ボルに、今度こそ中国越えを果たしてもらいたいところ。長く優勝候補の一角に上げられながら、なかなか結果を残せないサムソノフも、鉄壁の両ハンド攻守がノングルー時代に再び輝きを放つか。

 日本勢では、なんといっても若きエース・水谷隼(明治大・スヴェンソン)の活躍が楽しみだ。ザグレブ大会でいきなり世界ランキング12位の李静(香港)を破ったように、水谷がひとたびペースを握れば、世界のトップクラスといえども恐るるに足りない。前回のベスト32から、一気にベスト8以上へ突き進んでほしいところ。韓陽(東京アート)、吉田海偉(個人)も日本代表として経験を積み、下位選手に対する取りこぼしはないだろう。そして松平健太(青森山田高)と丹羽孝希(青森山田中)のふたりの天才児には、大物食いの期待が高まる。ブンデスリーガで高い勝率を残している松平、東京選手権で史上最年少優勝の丹羽、ともに今が伸び盛り。大会期間中にもその成長は止まらないだろう。さらに「野獣王子」こと大矢英俊に、日本リーグビッグトーナメント優勝の松平賢二が、ガッツで大会を盛り上げる。誰からも目が離せない、今大会の日本男子チームだ。

Photo左:今回が最後の世界選手権か? 三連覇の偉業に挑む王励勤
Photo右:ニッポン男子のエース水谷隼、出陣!