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世界選手権横浜大会(個人戦)

● 郭躍の2連覇はあるのか 女子シングルス

 ザグレブ大会では、準決勝で郭躍(中国)が張怡寧(中国)をストレートで下し、初のビッグタイトルを掴んだ女子シングルス。今大会も中国女子の優位は揺るがない。北京五輪で2冠王となった張怡寧が、再び郭躍と相まみえれば好ゲームが期待できそうだ。世界ランキング3位の李暁霞と4位の郭炎にも、優勝のチャンスは十分ある。特に郭炎は今大会が最後の世界選手権、昨年12月のITTFプロツアー・グランドファイナルを制し、ラストチャンスに賭ける。若手では急成長中の劉詩ウェンと丁寧に注目が集まる。カット打ちを得意とする劉詩ウェンに対し、カット打ちをやや苦手とする丁寧は集合訓練でカット打ちの特訓を積み、大会に臨むが、果たしてその成果はどうか。

 中国以外で準決勝に進出するチャンスがあるのは、馮天薇・ワン・ユエグ(シンガポール)、帖雅娜・姜華君(香港)、金キョン娥(韓国)くらいに絞られそうだ。ただ、若手とは良い勝負ができるが、張怡寧・郭躍・李暁霞・郭炎のトップ4を崩すのは厳しいだろう。カットの金キョン娥に期待したいが、張怡寧と郭躍のふたりは対カットの強さにも定評がある。
 ヨーロッパ勢では、「純正」ヨーロッパ選手だとやはりルーマニアのサマラとドデアンに期待したい。また、3月のドイツオープンで馮天薇を破ったVi.パブロビッチ(ベラルーシ)も久々に上位に勝ち上がりそうだ。帰化選手で上位に来そうなのはリュウ・ジャ(オーストリア)、リー・ジャオ(オランダ)、ウ・ジャドゥ(ドイツ)あたりか。また、カットということでリー・ジエ(オランダ)やリー・チェン(ポーランド)も波乱を起こす可能性はある。

 そして日本女子は、全日本選手権3連覇中の平野早矢香(ミキハウス)が、3月のドイツオープンで優勝。準決勝では中国女子のホープである李暁丹を下し、中国勢に対しても徐々に互角の勝負ができるようになっている。前回はサマラ(ルーマニア)に逆転負けを喫したが、今大会はヨーロッパ勢に対しては不安はない。アジアの強豪に照準が絞られる。
 福原愛(ANA)は、早くも4大会目の個人戦代表。ここ1年の国際大会では思うような結果が出ていないが、そろそろ「やってくれそう」な予感がある。20歳で迎える横浜大会、初戦をきっちり乗り切って、調子の波に乗りたい。さらに、次代の日本女子を担う石川佳純(ミキハウスJSC)、変化速攻で大物食いを狙う福岡春菜(中国電力)、国際大会での経験が豊富な藤沼亜衣(日立化成)など、日本女子も充実のメンバー構成だ。

Photo:平野早矢香(左)&福原愛がニッポンを元気に!