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世界選手権モスクワ大会(団体戦)

星野美香の眼
* 全日本選手権7回優勝の星野美香さんの日本女子の観戦記をお届けします

 福原選手の今日の試合は圧勝だった。自分の力をどんな時でも出せるのが彼女の強み。加えて、フォアの打球点が高くなった。その分、決め球を打てるようになった。バックで揺さぶり、チャンスが来たらフォアで決めるというパターンだけでなく、高い打球点のフォアで攻めてチャンスボールが来たらフォアでもバックでも決められるという形があって良くなっている。

 サービスがナックル、しかもどナックルになっていて、切れたサービスとの回転の差が大きくなっていて、かなり効いていた。そこで浮かしたボールを狙う打つ形が見られた。今日は彼女の良いところが出ていた。バック対バックで、バックが効いている場合は相手の集中力が切れて、それで試合を投げるか、得点を重ねることができる。
 ただ、相手にバックが効かずに、中陣で待っていてボールの力を殺しきってドライブしてくる時。その効かない時に対応できるバック打法を開発することが大切。そうでないとバックをずっと攻められて、バックをはねとばされる傾向がある。過去にトウ亜萍などの打法も参考になる。福原選手のラバーは後ろで待たれるとボールの威力は減速するので、そこで前後に揺さぶるか、ボールを遅くするか。速いボールと遅いボールの差を激しくすることが必要だろう。

 もう1点は、ミドルを攻めるという概念を持つこと。彼女自身はバックで回り込んでツッツキをする、フリックをするというようにミドルを攻められているけど、相手のミドルを攻めることが少ない。中国選手を見ていたら、いかに相手のミドルを突くのか、ミドルを突かれたらいかに高いところで処理するのかというところでの勝負になっている。ミドル攻めを生かすことで、フォア攻め、バック攻めが効いてくると思う。