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世界選手権モスクワ大会(団体戦)

 トップの平野選手の朴戦は、2ゲーム目の8-10から促進ルールに入ったのが勝負の分かれ目でした。韓国の対平野の戦術は徹底していたが、平野もそれを上回るほど徹底していた。
 日本チームが良かったのは、1ゲーム目を取っていたこと、そしてスコアで2点離れた時の次の1本が良かった。つまり2点(本)離されて、次の1点を取られたら3点差になるところを、1点取るから、そこで1点差に詰めている。各ポイントでそういう場面が多かったために、相手が焦っていたのがわかった。
 全体の流れの中での最大のポイントは3番の石川戦だった。0-2になった時に吹っ切れたのではないか。1,2ゲーム目はフォア前、ミドルへのサービスが少なかったが、3ゲーム目から変えた。フォア目のサービスとミドルへの攻撃を多くした。1ゲームを取った時に、これはいけるかも、と思った。
 福原選手の場合は、2番の負けた試合でも収穫があったと思う。フォアでカット打ちをしていて負けると思ったら、ツッツキのラリーに持っていった。金キョン娥は百戦錬磨、経験の差が少しだけ出ていた。ただ内容的には、こういう戦術を使わなければ勝てないという内容の試合だった。逆に、福原戦での韓国ベンチを見ていると、勝った試合も負けた試合も戦術がはっきりしていなかった。それはあまりに福原選手の意外性が多かったからだろう。選手は対応しきれなかったし、韓国ベンチの指示がはっきりしてなかったし、迷いが見られた。
 福原選手は金戦ではツッツキで粘り、朴戦はバックハンドで粘っていた。彼女の今のフォアハンドでは難しいけど、朴戦のように、相手がツッツキをボトッと落としたり、ポンと浮かしてそれをバックハンドでスマッシュするとか、福原選手は戦術が徹底していた。逆に相手は戦術が徹底していなかった。
 いかにそのゲーム、その状況に応じた戦い方ができるかというのは、勝負の鍵になってくる。競った時にどちらが耐えられないか、どちらが実行するのかというのがポイント。日本は、明らかに実行していた。
 韓国は、今までずっと、競ったら勝てるという自信があったのではないか。今回は競ったら自滅していた。予選リーグで負けたショックもあったかもしれない。
 日本はぶれなかった。ここで1本取られたら嫌だとか、ここで1本ほしいから入れていこうというような、心理的なブレがなかった。いつもは韓国がぶれないのに、今日は日本がぶれなかった。日本選手の自信、勢い、技術の向上、戦い方の向上が見えた試合だった。