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世界選手権ロッテルダム大会(個人戦)

 いよいよ開幕が間近に迫った世界選手権ロッテルダム大会。

 どこかで聞いたことがあるような、やっぱり聞き違いだったようなロッテルダムという地名。世界選手権の開催地ということになれば、急に親近感が湧いてくるから不思議なもの。速報担当が先日髪を切ってもらった美容師さん曰く「あの、宮殿があるところですよネ?」。…バッキンガムと間違えてたみたいです。
 ロッテルダム大会の見どころについては、本誌5・6月号に掲載された「ロッテルダムへの道」に詳しいですが、少しおさらいしておきましょう。

 まず男子シングルス。世界ランキング7位の水谷隼(明治大・スヴェンソン)が、世界の頂点にググッと近づいてきた。日本代表の記者会見で自ら「自分が負けるところはイメージできない」と語ったとおり、日本の卓球ファンの多くが、彼が簡単に負けるところは想像できないはず。世界ランキング7位の第7シードとなり、順当にいけば、準々決勝でメダルをかけて対戦するのは、第1~4シードの王皓(中国)、ボル(ドイツ)、張継科(中国)、馬琳(中国)の4人。いずれも厳しい相手だが、勝ったことのない相手はひとりもいない。それだけに期待は高まる。
 水谷が明かした最も対戦したい相手は、2年前の横浜大会で完敗した陳杞(中国)。ストレートで完敗したあの一戦のリベンジを狙っている。馬龍(中国)も必ず倒したい相手だが、その「楽しみ」はロンドン五輪までとっておく。

 日本男子はロンドン五輪の2番目の推薦出場枠を巡る戦いも、ロッテルダム大会のひとつの焦点になる。ドイツ・DTTL(男子1部)のオクセンハオゼンで1番手を張る岸川聖也(スヴェンソン)と、ようやく復調の兆しが見える松平健太(早稲田大)。今大会は代表から外れた吉田海偉(個人)を含めた3名が、世界ランキングポイントでわずか3ポイント差の中にひしめき合う。格上相手よりも、むしろ序盤の格下相手の戦いのほうがプレッシャーが大きいだろう。日本男子では松平賢二(青森大)だけが、予選トーナメントからの出場になる。

 世界に目を向けると、やはり優勝候補は中国に固まっている。中国男子の劉国梁監督は「若手はまだビッグゲームでは結果を残していない。彼らには確固たる結果が求められる」と発言。馬琳と王励勤というふたりのベテランを代表に加えながらも、チームの世代交代を促した。若手で最も勢いがあるのは張継科だが、まだメンタルが不安定。やはり技術と経験のバランスが最も取れている、王皓と馬龍が優勝争いの中心になりそうだ。
 アジアでは韓国も世代交代の時期を迎えている。最後の世界選手権個人戦になることも考えられる柳承敏と呉尚垠、そして中国が警戒している朱世赫。3選手は世界ランキングが接近し、ロンドン五輪への推薦出場枠を巡るライバル関係でもある。まだまだ若手には負けられない。

 一方、ヨーロッパはなかなかイキの良い若手が出てこない。欧州の皇帝・ボルに期待が集まるが、中国に徹底的に研究されているのと、故障続きで体力面に不安があるのがマイナス材料。それを差し引いてもボルの存在感には絶対のものがあるが、ロンドン五輪を前に中国の包囲網を破ることができるか。層の厚いドイツを除くと、残念ながらベスト8まで勝ちあがってくるようなヨーロッパの男子選手は見当たらないが、フランスの若手からは新たなスターの誕生に期待したい。

 続いて、女子の見どころもお伝えします!