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世界ジュニア選手権大会

 まだ日本のカットは若い人に継承され、進化していた。
 男子の15歳の村松雄斗と女子の谷岡あゆかが団体戦で活躍、大会関係者の注目を浴びている。中国には女子ではいるが男子では純粋なカットマンはいなくなっている。世界的に見ても、本格的なカットマンは数えるほどだ。
 谷岡は回転量のある切れたカットが特徴。このカットを持ち上げるのは相当に難しい。相手はネットミスと、ストップのオーバーミス(強い回転のあるカットのため)を繰り返す。攻撃力も徐々についていて、相手が攻めあぐねた時に一発で反撃に転じる。さらに攻撃力をつければシニアでも活躍するだろう。
 一方、村松は少年時代に大阪まで通って「Mr.カットマン」の元世界3位の高島規郎氏に師事していた。以前、その素質を高島氏に聞いたら、「教えることは何もない。今のまま強くなっていけばいいし、たくさん食べて、体を大きくしろと言っている」と語っていた。その素質は折り紙付き。ただ、おとなしく、積極性に欠けるきらいがあったが、大会前にオーストリアのシュラガーアカデミーに酒井とともに短期留学。精神面も成長した河野監督は評価している。
 そのプレーは長い手足を生かしたカット、切れ味も鋭い。そして巧みなサービスからのドライブと、カットからの反撃力もレベルは高い。韓国の朱世赫とも相通じる部分がある。
 これから経験を積んでいけば、この2人のカットマンは世界の舞台で十分に活躍できる素材であることを、この世界ジュニアで証明した。