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全日本選手権大会

 平成23年度全日本卓球選手権(一般・ジュニアの部)が、1月17日に東京・千駄ヶ谷の東京体育館で開幕する。1月の全日本選手権がある限り、トップ選手たちにのんびり過ごせる正月はない。若手の成長により、男女シングルスともに戦いは激しさを増している。

 まず、男子シングルス。92~97年大会(女子)の小山ちれに並ぶ6連覇を目指す水谷隼(明治大)は、準々決勝で岸川聖也(スヴェンソン)と対戦する組み合わせ。昨年7月のジャパンオープン荻村杯では、完璧な両ハンドの攻守を見せた岸川が水谷の堅陣を崩し、勝利を収めている。ドイツでの修行時代から水谷の兄貴分だった岸川、精神面でも優位に戦えるはずだが、どこまで勝負にこだわって戦えるかがカギだ。
 昨年の全日本で水谷に完敗した丹羽孝希(青森山田高)は、その敗戦をバネにインターハイと世界ジュニア選手権を制し、世界代表選考会でも優勝。充実の2011年だった。相手の待ちを外すフォアストレートへのカウンターは切れ味抜群だが、水谷を破るにはもう一段上の決定力が必要。全日本で「水谷攻略法」を見いだせるか?

 水谷、岸川、丹羽の3人を第一集団とすれば、第二集団には社会人・学生の強豪がひしめき合う。社会人では、全日本社会人2連覇の張一博(東京アート)、2位の軽部隆介(シチズン)、3位の高木和卓(東京アート)らが優勝戦線を賑わせそう。大舞台に強い協和発酵キリンの木方慎之介、田勢邦史らも上位をうかがう。学生では、2011年に急成長を遂げた全日学チャンプ・神巧也(明治大)、昨年ベスト8の笠原弘光(早稲田大)、世界選手権複ベスト8の松平賢二(青森大)と実力派のシェークドライブ型が顔を揃える。選考会を欠場した吉田海偉(OVER LIGHT)の仕上がりも気になるところだ。

 ジュニアクラスでも、アジアジュニア選手権を制した吉村真晴(野田学園高)、丹羽と同世代でしのぎを削る青森山田高の吉田雅己・町飛鳥、運動能力の高いペンドライブ型・加藤由行(愛工大名電高)など選手層は厚い。 
 
 「あえて敵を作って、刺激を与えてもらえれば、さらにぼくは成長できる」。昨年の大会後のインタビューでの水谷のコメントだ。遊びのボールがなくなり、より強さと集中力を増した印象があったチャンピオン。誰が進撃を止められるのか?

Photo:昨年度の全日本選手権より、水谷、岸川、丹羽