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全日本選手権大会

●男子シングルス決勝
吉村真晴(野田学園高) 9、6、ー6、ー6、9、ー5、10 水谷隼(明治大)

男子シングルスで新チャンピオン誕生! 6連覇を狙う水谷隼を最終ゲーム7-10からの大逆転で制した!

吉村は第1ゲーム、4-0の出足のリードを4-6と逆転されたが、ここから7-6と逆転。再び7-9とされながら、連続フォアドライブ、回り込んでのカウンタードライブで4点を連取し、ここまで1ゲームしか落としていない水谷からいきなり1ゲームを先取する。第2ゲームも1-4から6点連取で逆転。打球点の高いカウンタードライブは、水谷でさえブロックできない。ロビングも通じない。

しかし、全日本5連覇中の水谷もここからエンジンがかかる。少しでも甘いサービスには、レシーブから積極的なドライブ攻撃。強い下回転が入ったサービスで吉村のバックフリックのミスを誘う。第3ゲームは4-4、第4ゲームは3-5のビハインドからともに5点連取。2-2のタイに戻す。

それでも吉村は水谷の術中に落ちない。水谷の多彩なテクニックを前にしても、吉村が「ミスをさせられている」というようには、あまり見えなかった。何本ミスが出ても、吉村は自分のスタイルを貫く。第5ゲームは中盤で連続バックドライブ、レシーブからのバックドライブ2連発など、まさに大当たり。最後も中陣からのバックドライブを決めて3-2と初優勝に王手をかけた。第6ゲームは水谷がレシーブからの強打、カウンタードライブで11-5と取り返す。

勝負の最終ゲームは、スコアの離れないシーソーゲーム。吉村、7-9とされたところでタイムアウトをとるが、水谷が7-10と6連覇へのマッチポイントを握る。観客のほとんどが「結局は水谷が勝つのか」と思ったに違いない。しかし、ここでも吉村の両ハンドが火を噴いた。10-10に追いつき、会場が大きくどよめく。
吉村の中陣からのバックドライブで11-10、そして水谷のレシーブドライブがオーバー!
その瞬間、フロアに倒れ込む吉村を、観客の拍手が包み込んだ!

「飛翔」という言葉でもまだ足らない、2年連続ベスト32からの大ジャンプアップ。吉村真晴、初優勝。ベンチに入った野田学園中・高の橋津文彦監督(下写真中央)は「中学・高校と指導してきた6年間、最後の最後で最高のプレゼントをくれました!」と涙を浮かべた。